――タトゥーについては、生まれ育った家庭環境や、所属しているコミュニティーによっても感じ方に違いがあるのでしょうか。
丸田:周りの環境によってハードルの高さの違いはあると思います。私自身、子どもが産まれる前は音楽が好きでフェスによく行っていたので、タトゥーを入れている人は当たり前にいました。特に海外のアーティストがメインのフェスだったりするとタトゥーを入れている人がいるのが普通でした。私がタトゥーに対してあまり偏見がないのは、そういう経験があるからだと思います。
――タトゥーの是非に関しては、読者からはどんな声がありましたか?
丸田:もちろん、タトゥーにすごく否定的な方もいましたが少数で、「絶対にタトゥーを入れるべきではない」という意見はあまりなかったです。「こういう出来事があるならリスクヘッジは考えないといけないよね」という声はありましたね。
「今の日本でこんな偏見があるの?」という質問もありました。実は、モデルになった方は現在50代なので、時代背景は少し前なんです。だから作品内では、意図的にスマホなどは出さないようにしていました。
タトゥーを入れている人から、「漫画の題材として取り上げないでほしい」「あまり触れられたくない」とメッセージがきたこともあります。また10代や20代の人から「タトゥーを入れたいと思っていたけど、こういうこともあるんだなと勉強になりました」とコメントをもらうこともありました。
基本的には、普段からタトゥーのことが頭の片隅にある人が反応してくださったという印象です。ただ、メッセージを読み過ぎると描けなくなりそうだったので、執筆中はあまり見ないようにしていました。
<取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。