肉は洗っていい?意外とやってる、食中毒を引き起こすNG調理
梅雨から夏、食中毒が心配な季節がやってきますね。
先月、鶏肉が洗えるとした某商品の宣伝に対して、「生肉は洗わないで!」と農林水産省と内閣府(食品安全委員会事務局)がXですぐに投稿し、ちょっとした話題になりました。
理由は「水洗いすると菌が飛び散るから」。Xでは「知らなかった!」という反応も結構ありました。
そこで、公的機関の情報をもとに、改めて注意すべきことをおさらいします。
生肉の表面に多くの菌が付着していることは、みなさん知っていますよね。政府広報オンラインでは、食中毒の発生件数の多いものとして、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌(O157、O111など)を挙げ、次のように説明しています。
カンピロバクターは鶏や牛の腸管内にいる細菌で、生の鶏肉や牛肉の表面に付着しているほか、肝臓の内部にも存在しているようです。菌が体内に入ると1~7日で発熱や腹痛、下痢、吐き気を起こします。
腸管出血性大腸菌は主に牛の腸内に存在する細菌で、カンピロバクターと同様に少量に菌からでも感染します。2~7日ほどで発熱や腹痛、下痢、血便、吐き気や嘔吐といった症状を引き起こし、とりわけ抵抗力の低い子供や妊婦、高齢者では重篤になりやすいため注意が必要です。
その他にも細菌やウイルスなどが生肉の表面には付着していて、水洗いをするとシンクに限らずキッチン全体に水滴と一緒に飛び散ってしまうことになるそうです。
シンクからの二次感染として、実際に「サラダや調理の必要のない料理をシンクで取り扱った際に、生肉に付着していた菌がシンクを介して付いて食中毒が起きた」(東京保健医療局)という例があったそうです。
こうした理由から霧吹きで水を吹きかけることも含め、水洗いは控えた方がよさそうですね。肉から出たドリップ(赤い液体)が気になる場合は、「キッチンペーパーなどで拭き取ること」(農林水産省)が推奨されています。
生肉に付いた菌が体内に入ると、何が起きる?
生肉を洗うと、シンクに菌が飛び散る
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