
――公開中の『不思議ラヴァーズ』ですが、ファンタスティックな説明の難しいストーリーです。私は観ると決めた作品は、あらすじを確かめずに観るタイプなのですが……。
佐藤寛太さん(以下、佐藤)「そしたら、“え? ええ!?”って感じでしたよね。オレなんて、側転とかしてるし」
――そこもぜひ伺いたかったんです。りのが最初に出会う学生のじゅんが、いきなり登場シーンで側転をしていました。あれは脚本に書かれていたのですか?
佐藤「あった気がしますけど。いや、なにかアクロバットができる? と松居監督に聞かれたのかな。“側宙できます”と回答したのですが、学生カバン持ってたし、撮影の序盤でケガをすると撮影が止まってしまうので手をついての側転になりました」

――そのほうが身軽な感じでかっこよかった気がします。
佐藤「僕としては見上さんの顔に脚が触れないようにって、そこだけが怖かったです」
――登場シーンのインパクトから始まって、後半の予想していなかった展開まで、魅力的なじゅんでした。公式のインタビューでは、「出来上がった本編を観ていて恥ずかしかった」とコメントされていました。
佐藤「自分が用意していたものじゃなくて、監督に引き出されたものが多かったからだと思います。恥ずかしいというのは、割といつも思うんですよ。“この芝居よくなかったな”とか、“ああしておけばよかったな”とか。
恥ずかしいというか、反省はいつもするんですけど、今回は反省というより、自分の素というか、気づかない間に、こんなところを撮られていたんだと思うようなところが多くて、それがスクリーンに出されたときに恥ずかしいなと感じたのだと思います」

――オファーを受けた時に、先輩の町田啓太さんに連絡したそうですね。
佐藤「LINEしました。“今、何してるの?”と聞かれて、“松居さんの作品に出るんです”と言ったら、“松居さん、いいな”って言われて、“『不死身ラヴァーズ』っていう作品なんですけど”と答えたら、町田さんがもともと原作漫画をめちゃくちゃ好きで、いいなってすごく言われました。
俺ら、普段、お互いの作品を観合ったりとかあまりしないんですけど、観て欲しいです。俺は先輩の作品もいろんな人の作品も、特に意識せずに観ますけど。共演した人の作品を観ることも多いです」