やぎゅう:つらい糖質とカロリー制限をしているなかの唯一の楽しみが、2週間に一度の「チートデー」でした。普段はしっかり食事管理をして、チートデーのときには好きなものをどれだけ食べてもよいというルールです。
日比野先生:確かにダイエット期間中にも適度に好きなものを食べて、一時的に省エネモードを解除すると、代謝量が上がって体重が減りやすくなると言われていますね。ストレスの発散にもなりますが、アスリートのようにハードな減量をしていない限りは、暴飲暴食は避けたほうがいいでしょう。
やぎゅう:あっ私、チートデーにありえないほど食べてました。肉寿司100貫、ケンタッキー16本、ケーキやアイスの食べ放題、米3合も余裕でした。
日比野先生:フードファイター並みですね(笑)。これはダイエット経験者としても言えることですが、無理な我慢の反動で暴飲暴食をしてしまうことがリバウンドの元凶です。もしもどうしても甘いものを食べたくなったら、少量を一口だけ食べる。そうすると脳も満足して落ち着くんです。また保存用パックにその日に食べる分を小分けにして、「ちょこちょこ食べ」にするのも手です。
やぎゅう:頑張って筋トレも始めたのですが、これもツラかった割に成果が出ませんでした。
日比野先生:筋肉量を増やして基礎代謝を上げるのは重要ですが、自己流の筋トレは要注意です。特に体重過多の人の場合は、筋肉のどの部位を動かすか、医学的な知識をもとに意識してトレーニングしないと、間違ったフォームでヒザを痛めたりして、体を動かせなくなるリスクも。
運動には、有酸素運動と無酸素運動の2つのタイプがあります。有酸素運動は、酸素を消費して脂肪や糖質を燃焼させ、それをエネルギー源とする運動のこと。ウォーキング、ジョギング、水泳や自転車、エアロビクス、なわとびなどですね。
やぎゅう:筋トレは有酸素運動ではないんですか?
日比野先生:筋トレは、短い時間に行う強度の高い無酸素運動です。かつてのやぎゅうさんのように100キロオーバーの方は、いきなり筋トレをするのではなく、まずは脂肪を落として動きやすいボディになることが先決ですね。そこからさらに自分のボディのどの部分を落とすべきか、課題が見えてくるはずです。
やぎゅう:まずは「脂肪のベール」を脱いだ先に見えてくるものがあるわけですね。
日比野先生:その通り。ダイエット初期の段階では、自己流の筋トレやたんぱく質の過剰摂取は避けたほうが無難ですね。
やぎゅう:これも思わぬ落とし穴でした。筋トレも有酸素運動もやみくもにやるだけじゃダメだし、かえって体調が悪くなった理由もよくわかりました。