
<ミュージカル時代劇>映画『邪魚隊/ジャッコタイ』
――舞台で活躍してきた佐藤さんとしては、映像と舞台の架け橋のような役割を担いたい想いもありますか?
佐藤:みなさんにとって、舞台のほうが少し難しい趣味だなという気がするんです。自分自身もそうですが、子どもの頃に親と一緒に映画館に通いましたし、映画は多くの方にとっても身近ですよね。
その点、舞台は最初の壁が分厚い。東京、大阪でしかやっていない場合など、時間と場所を確保した上で観ようという意思がいるんですよね。なので今回、普段は映画・ドラマしか観ない方にも、舞台の楽しさを知っていたただくきっかけになればいいなと思っています。
――鱗蔵役を等身大で演じたと言っていましたが、役を表現する上で大切にしていることはありますか?
佐藤:最近自分の中でお芝居をする上でのテーマがあって。そもそもお芝居を“日常の拡大解釈”だと思っているんです。日常を誇張したものがお芝居。だからあまりオーバーにやってしまうとチープになる感じが最近しています。観る側がリアリティを感じるには、お芝居をオーバーにしすぎてしまうと、ファンタジー寄りになってしまう気がするんです。人間っぽく演じるために、出しすぎないことを意識しています。
――昨年、原案・脚本・演出に初挑戦された『カストルとポルックス』も話題になりましたが、今回の東映ムビ×ステも含め、今自分に求められている役割について考えたりしますか?
佐藤:先日、役者の先輩に「流司は、後輩が見て真似をしたくなるような先輩になりなさい」と言われたんです。もう新人ではない、そういう領域に入ってきているので、カッコいいと思ってもらえる存在になれたらいいなと思っています。俺にあこがれてこの世界に入ってきたとあいさつに来る後輩が増えて来たので、カッコいい先輩にならなくちゃなと思っていた矢先のことでした。
それとは別に新しい風、素晴らしい若手がどんどん出て来る一方、脚本と演出の両方をが出来る人は多くないんじゃないかなって思うんです。映像の監督には若くてセンスある人がたくさんいますが、舞台では脚本・演出が出来る方で若い才能は本当に少ない。どの作品もベテランが多いので、その方々に続けるようにならないと、と自分では思っているところですね。
――ちょうどそういうことを考える時期だったんですね。
佐藤:そうですね。あと、その場にい続けずに、どんどん前に進みたい、進化したいなという想いがありますね。ずっとプレイヤーとして芝居をし続けることは可能だと思うのですが、それだけだと成長もないかなと。
この前、今までやったことがない仕事をさせていただく機会があり、右も左も分からないような状況に10年ぶりに携わらせてもらって、この感覚が生きていく上で必要だなとすごく思ったんですよ。ヒリヒリして緊張して高揚する感覚が、ここ最近はなかったなと。
――それは刺激になりますよね。
佐藤:どうしても人間、マンネリになっていく。自分の中ではすべてのお仕事を楽しくやらせてもらっていて、そこは揺るがないけれど、新しい環境に行ったとき、こういう刺激が絶対必要だと思いました。だから、新しいことは、どんどんやっていきたいですね。