平均50歳には見えない!「太陽とシスコムーン」サブスク解禁に、ネットが祭りになったわけ
2000年に解散した女性歌手グループ「太陽とシスコムーン」の全楽曲が、2024年6月7日から各種サブスクリプションサービスで配信されました。サブスク解禁のニュースが出るとネットでは「嬉しすぎる!」、「久々に聴きたい」と喜びの声が殺到。トレンド入りするなど“太シスフィーバー”とも言える現象が起きていました。
解散から20年以上もの時を経て、今なお注目される太シスの魅力について考察します。
1999年にデビューした太陽とシスコムーン(略称「太シス」)は、モーニング娘。を代表とするハロー!プロジェクトの黎明期を支えた4人組グループ。もともとCMソングを歌うグループを作ることから始まったつんく♂さんによるオーディションで選抜された4人で、全員が芸能活動経験者という特徴があります。
メンバーはソウルオリンピック体操代表の信田美帆さん、1993年結成の大阪パフォーマンスドールのメンバーだった稲葉貴子さん、中国で歌手活動をしていた中国籍の本多RuRuさん、民謡小湊流家元で民謡歌手の小湊美和さん。先行して結成したモーニング娘。と同様にテレビ東京のオーディション番組「ASAYAN」でオーディションの過程が放送されました。「デビュー曲がオリコン6位以上でなければ即解散」という条件をクリアし、デビュー当初から人気グループとなっていきました。
デビュー当初はCDの売れ行きも好調だったものの、その後は少しずつ低迷。2000年には「T&Cボンバー」という謎のグループ名に改名した後に解散。デビューから解散までたった1年半という短さだったことは当時を知っている人も驚くでしょう。ハロプロファンのみならず、モーニング娘。全盛期を追ってきた世代やASAYANを観てきた人たちの間では今なお語り継がれている伝説的グループとなっています。
現在は解散時のT&Cボンバーではなく、太陽とシスコムーンに再改名し、芸能界を引退したRuRuさんを除く3人で自主的な再結成やハロプロコンサート出演など再活動中。信田さん52歳、稲葉さん50歳、小湊さん47歳となった今年は、25周年ツアーも行っています。
サブスク解禁のニュースにネットが湧いた背景には、彼女たちの魅力が今の令和の時代にも合っていることが言えると考えます。太シスの魅力は、さまざまなバックグラウンドを持つ4人が集まっているというユニークさだけではありません。4人全員が抜群の歌唱力を持っていたこと、モーニング娘。と比較して平均年齢が高くてお姉さん的な立ち位置のグループだったこと、一方で20代前半から半ばにしては大人びた楽曲とセクシーな歌詞。
特に一般的な20代ではおおよそ経験し得ないであろう恋愛観が散りばめられた歌詞は、今のアラサーアラフォー世代に深く刺さります。
たとえば「Gotta Make it Love(その愛を育てなければ)」という言葉から取った2ndシングル「ガタメキラ」では、「もうちょっとましな顔なら もうちょっと本気で私 愛してくれたの」、「来週の女より 強いめで抱きしめて」、「公認でくちづけて」などの歌詞が。好きな男に向けて2番目でいいからどうにか愛してほしいと懇願しているかのような歌詞には、女としての悲哀を感じずにはいられません。