Entertainment
Human

カズレーザーの相方は介護現場歴20年!奥が深くて明るい介護の仕事とは<漫画>

介護10
介護11

愛情と責任の狭間

実は私も、ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修課程修了)を保持しています。母の介護のさわりだけ経験しましたが、身内と他人様の介護では、わきあがる感情がまったく違います。 身内、ましてや親というのはどこまでいっても目上の存在。身内だからこそ、気丈夫だった母が、威厳のあった父が、弱っていく姿に苛立ちを覚えたり、悲しくなったりするのです。 「私情が入って感情的になってしまうと、介護するほうもされるほうもダメージが大きい」と本書にも記されています。 第三者である介護職員が介入することで、家族間に適切なバランスが生まれるのかもしれません。しかし自宅に介護職員が出入りする訪問介護となると、躊躇(ちゅうちょ)してしまう利用者さんや利用者さんのご家族もいるでしょう。信頼と実績を勝ち取るために、安藤さんも奮闘したといいます。 安藤さんは「お笑い活動と介護の仕事」のふたつの仕事をしていたため、訪問介護は夜勤務を選択しました。夜勤務とは「家の鍵を預かって、決まった時間にお宅へ訪問する」というもの。当然、ご家族が休んでいる間にこなすのです。

泣ける!深夜の折り鶴

「夜9時に出発して翌朝7時頃帰宅。ひと晩で15~20軒訪問する」というルーティンを、3~4年続けたという安藤さん。ご家族が寝静まっている間に「トイレ誘導、水分補給、体位の変換、オムツ交換、安否確認、陰部洗浄」を利用者さんに合わせて行うわけです。 とりわけ「難易度が高い!」のが「寝たままオムツ交換」。私も介護施設でのオムツ交換は経験したのですが、利用者さんが起きている時でも重労働でした。 人間の体はデリケートですし、「ほんのちょっとのミスが命取りになってしまう」のが介護の現場。だからこそ利用者さんやご家族の感謝が、なによりのやりがいにつながるのでしょう。 ある日の夜、安藤さんは次の訪問先までの隙間時間に、車内で鶴を折っていました。その鶴を、認知症の利用者さんの枕元に置いておいたのです。翌週の夜、その利用者さんの枕元には、チラシで折られた大きな鶴があったとそうです。ご家族からの手紙によると「認知症の利用者さんが自ら鶴を折った」というではないですか。 「認知症の父が鶴を折れるなんて思ってもみませんでした。本当にありがとうございます!」。この時の「ありがとう」ほど重みのある言葉はなかったと、安藤さんはしみじみと感じ入ったのです。
次のページ 
介護業界の“広報”になれたら
1
2
3
4
5
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ