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「僕、男です」女装も男装も楽しむ“ジェンダーフリー男子”に挑む24歳俳優の”天性の可愛さ“

俳優としての進路

『よるのブランチ』では、尊敬する先輩のひとりとして岩田剛典の名前を挙げていた。三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして2010年にデビューした岩田は、パフォーマーばかりか、俳優、ソロアーティストの三足の草鞋を履いて跳躍を続けている。驚異的なバイタリティの先輩に憧れる木村は、着実に(パフォーマー以外の)俳優としての進路を見定めているのだ。  第2話を見ると、その意気込みは十分だと思った。美紅が悠久に内緒で、イヴのカフェが出店するフリーマーケットに行く場面。その日のイヴのコーデは、ガーリー寄りのメンズスタイル。薄水色のジャケットが鮮やか。  悠久が不意打ちでやって来る。自分は美紅の彼氏だとあからさまにマウントを取ってまろやかに威嚇する。バチバチな雰囲気。美紅と悠久が帰ったあと、イヴは出店スペースのイスに座ってマドレーヌを一口。ひとり、しょげて寂しそうな雰囲気を控えめに漂わせる木村の演技が、すごくいい。  引きの画面内。こごぞというポジショニングと動作でピタリとおさまるのは、長年のパフォーマー経験から応用した演技の作法だろうか。ジェンダーフリー男子というアクチュアルな役柄を得た木村慧人は、パフォーマー兼俳優としての豊かな才能を大きく飛躍させようとしている。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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