朝ドラ『虎に翼』34歳俳優の髪型への「昭和っぽくない」批判に反論。“あえてのスタイリング”であるワケとは
事実にこだわることは映像表現の矮小化になりかねない
でもね、時代考証ばかりが映像作品の核心でないことを理解する必要がある。確かに本作は戦前、戦中、戦後の歴史的な事象を(ときに巧みな省略を駆使しながら)見事に反映した骨太ドラマである。
だからといって何でもかんでも事実に基づいて描写することだけが、優れた表現力に結びつくわけでもない。むしろ映像表現の矮小化になりかねない。実際その矮小化の果てに、昭和メンズは七三分けというイメージが根づいてしまったのではないか(というのも暴論だが)。
映像は時代を写す鏡だという慣用句的な表現も筆者には安易に聞こえてくる。なのでここからは、時代考証的な観点を半分、自由な映像表現の考え方を半分として、“現代的”と批判される航一のヘアースタイルについてフレキシブルに考えてみることにする。
リーゼントスタイルが話題になった『なつぞら』
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