
プレーンヨーグルト5種類を食べ比べすることに。メモを書けと指示をするよりも、まずは感覚優先で楽しんでもらいます
最後は、普段からいろいろな食材で実践している「食べ比べ体験」です。
ここで大切にしているのは、子どもが好きな食材を選んで楽しく進めること。チーズ、ヨーグルト、だし、バニラアイスなど原材料がシンプルな方が取り組みやすいでしょう。ここではヨーグルトを5種類並べてみました。同時に比較しながら食べてみると、味や質感が違うことがすぐに理解できます。

食べ比べによって、食品のパッケージに興味を持てるようになります。特にわかりやすいのが数字の違い
ヨーグルトをどうやって作るのか? という疑問がわいてきたら、必要な材料や製造工程を伝え、材料や菌の違い、発酵環境などの話を“腹六~七分”を意識しながら説明するようにしています。
今回我が子は乳脂肪分と無脂乳固形分の概念を知って大興奮。ここで一つ注意したいのが、親の説明ボリューム。知りたい子どもに対しておなかいっぱいまでくどくど解説すると、かえって好奇心をそいでしまうことがあるので、ちょっと物足りないくらいがベター。
これを聞くと、「親として完璧に答えなければならない」というプレッシャーもなくなりませんか? 親が全部を知る先生だと思わせる必要はまったくありません。
【大切にしているポイント】※カッコ内は育める能力
・好きな食材で食べ比べをする(積極性)
・ヨーグルトの違いを体験する(味覚力、比較力)
・違いの理由を考えてもらう(考察力、分析力)
・むやみに分析表を描かせたり、親がゴールを設定しない(主体性)
今回の食体験はあくまでも一例。子どもの特性や興味によってアレンジして良いと思います。まずは気軽なところから、家庭の身近な材料や調理家電を使ってはじめてみてくださいね!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>