3位 清家浩子(高岡早紀)TBS系『笑うマトリョーシカ』/高岡早紀の「悪女」新たな代表作

(画像:『笑うマトリョーシカ』TBS公式サイトより)
新聞記者の道上(水川あさみ)が、若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)を追っていくうちに、清家は誰かに操られているだけなのではないかと疑問を持ち、その背後を探っていく政治サスペンス。
清家を操り、支配しようとしている/していた(と思われる)候補は複数いて、なかでも回を追うごとに不穏な存在感が増しているのが、高岡早紀演じる清家の実母・浩子。
息子を政治家にするためには、のちに秘書としてブレーンとなる息子の同級生を誘惑するなど、ありとあらゆる手を使う。周囲では不審な事故死が絶えない。
第8話では、自分を追ってきた道上が車に轢かれそうになったところに笑顔で現れ、道上に8歳の息子がいることに触れたうえで「人のことをかぎ回ってばかりいないで、自分の身の回りのことを心配したほうがいいんじゃない?」と脅迫めいた警告をする。
同作では、学生時代の清家の恋人で、清家をコントロールしようとしていた亜里沙(田辺桃子)の傍若無人ぶりも強烈だったが、悪女としては浩子のほうが一枚も二枚も上手か。
さまざまな悪女を演じてきた高岡早紀だが、この浩子はその代表作のひとつになるだろう。
とはいえ、浩子に関する疑惑はいずれも証拠がなく、また浩子自身も母親(清家にとっては祖母)の影響下にあることが示唆されているため、「怖い女」としては暫定的にこの順位に。
2位 蒲生美智留(内田理央)フジテレビ系『嗤う淑女』/他人を操り、破滅に導く「THE悪女」
東海テレビ制作のこの土ドラは『笑ゥせぇるすまん』的世界観をさらにダークに演出したような作品。

(画像:『嗤う淑女』東海テレビ公式サイトより)
主人公の美智留はコンサルタントを名乗って、悩みを相談してきた人たちの欲望を利用し、次々と破滅させていく。買い物依存症の女には「ちょっと借りておくだけ」として働き先の銀行からの横領をそそのかし、夫のモラハラに悩む主婦には多額の生命保険をかけたうえで夫を事故に見せかけて殺すよう誘導するのだ。
それだけでも恐ろしいが、美智留の怖さがとくに際立つのは、いとこの恭子(松井玲奈)との関係。
中学時代、恭子の難病を治療するため美智留が骨髄を提供したことをきっかけに、恭子は美智留に傾倒していく。そして美智留を虐待していた父親を恭子は事故に見せかけて殺してしまうが、実はそれは美智留による誘導。学校で恭子がいじめられていたのも、美智留が裏で仕掛けていたことだった。
次第に美智留の恐ろしさに気づき始めた恭子はその支配から逃れようとするが、ことごとく見破られ、美智留から逃げられない。美智留の悪事に加担することにまっとうな罪悪感を抱いていたはずの恭子は、第4話ではすっかり美智留のよきパートナーに……。
他人の心理を意のままに操作し、破滅させていく美智留はまさに稀代の悪女であり、絶対に関わりたくない「怖い女」だろう。