朝ドラ『虎に翼』39歳俳優の“細かい動作”から目が離せない。長官室で鼻血を出した航一を抱きとめ
最高純度の孤独として結実
長官室のドアをノックする航一
こうやって桂場の細かい動作に注目し、さっきの場面で最高純度のものを目撃しては、長官室で次にどんな動作が繰り出されるのか、まったく想像がつかない。長官室の桂場がひとり、想像上の多岐川から非難され、激昂する場面があったりするが、第25週第125回、思わぬ人物が場外からするりと入り込んだ。
寅子の同僚判事であり、事実上の夫婦関係にある星航一(岡田将生)である。航一は、山田轟法律事務所に相談にきている斧ケ岳美位子(石橋菜津美)による尊属殺の調査を担当している。第121回での長官室場面。航一が桂場に「お疲れのようですね」と言うと、桂場が「それは君も同じだろ」と返す。
第124回ラスト、航一が再度長官室に行く。ドアの前で息を整えノックすると、中から「入れ」と桂場の重々しい声。この場面の直前、航一の長男・星朋一(井上祐貴)が裁判官を辞めたいと激白した。半ば左遷的に家庭裁判所に異動命令がでた朋一は妻との関係性に深く悩んでいた。息子からの心の叫びを受けて、航一は自分に任せておけという表情で颯爽と長官室のドアをノックしたのだ。
この特集の前回記事


