朝ドラ『虎に翼』“退場済みなのに”どんどん存在感を増していた35歳俳優。絵を見るたびに
花岡らしい美しい身振り
花岡の頑なさは、食べないこと以外にも指摘できる。明律大学時代の彼が、女子部からあがってきた寅子たちを蔑視の眼差しで見つめる第3週第15回の初登場の瞬間から顕著だった。 うわべは紳士的でありながら、その実とんでもない女性蔑視をする、頑なな男性中心主義者。第4週第18回、学友たちとのハイキングで、口論になった寅子にこづかれ、崖から落下する衝撃の場面がある。両腕を後ろに振り上げているのに、なかなか落下していかない歪(いびつ)な画面は、アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』(1960年)で、探偵が階段から落下する場面のぎこちない動きとよく似ている。 この落ち方について岩田は「マトリックス落ち」と呼んでいる。9月27日の最終回放送に合わせて、Instagramのストーリー上にこの場面の撮影風景を投稿しているくらい、本人にとってはこの場面が花岡役のハイライトだったのだろう。でも筆者はマトリックスではなく、ヒッチコック的な古典落ちだと考えている。 女性蔑視の考え方は寅子との対話の中で次第に変わり、むしろ彼女に恋心を抱くようになる。裁判官の試験に合格(寅子に電話で伝える場面が特に古典的佇まい!)してレストランで祝杯をあげる第7週第32回。二人きりの時間。花岡は地元・佐賀に一緒についてきてほしい。でも寅子にその気配がないことを知る。 もう少しはっきり言えばいいのに。花岡は素直に言えない。でも素直な花岡は花岡ではない。帰り際、寅子に見せた後ろ姿で、右手をあばよとあげるしかない。花岡らしい頑なさの身振りが美しかった。#トラつばクランクアップ
— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) September 29, 2024
法曹界で活躍されたみなさん
寅子が法律を学ぶ道に導いた恩師、そして同志との絆は一生ものですね✨
公式Instagramには、ほかにもたくさんの写真をアップしていますので、ぜひチェックしてください!#朝ドラ #虎に翼#伊藤沙莉 pic.twitter.com/jNh5Vk3kMm


