
骨が付いている部分がわかりやすく、箸でほぐしやすいのが干物。我が家では大きなホッケで練習しています
次に骨のある魚を上手に食べ進める練習について考えてみましょう。
我が家ではいろいろ実践をしていますが、骨をはずす、骨をよけて食べる上で最も取り組みやすかったのが、ホッケの干物。
大きなサイズで箸を入れやすく、骨が見分けやすいのが大きな理由ですが、子どもがおいしいと感じる魚を選んで練習してあげることも大切です。

あらかじめ骨が取り除かれた“骨取り魚”。食育のためには良くないのでしょうか?
最近スーパーなどでよく見かけるのが、“骨取り魚”。魚の食べ方を教える上では登場させたくないと考える人もいるかもしれません。
個人によって価値観はさまざまですが、私は骨取りタイプも積極的に食卓に出して良いのでは? と考えています。
魚は骨付きの焼き魚や煮魚がすべてではありませんし、手軽に安全に栄養価の高い青魚を食べたい、身をほぐす練習をしたいという人もいるでしょう。骨取り魚を食べさせることが、骨のついた魚を嫌がる決定打にはならないと思います。
むしろ考え方を変えて、野菜などの他の食材と一緒に食べやすい状態だと捉えてみるのはいかがでしょうか? 我が家では野菜と一緒にフライパンで蒸し煮を作るのが定番で、魚をキレイに食べること以上に、魚を野菜と一緒においしく味わうことを大切にしながら、楽しく食体験を重ねています。

骨取り魚を野菜と一緒に蒸し煮にする料理は我が家の定番。10分以内で完成するのにごちそう感がたっぷりです!
以上いかがでしたか?「こんなこと言われなくても、うちは魚食べてるよ!」という方は読み飛ばしていただいてかまいません。もっと魚を気軽に食べるヒントとして、魚に自信がない人にとってのきっかけとして、お読みいただけたら嬉しく思います。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>