
「夜中に夫に揺り起こされて『大丈夫?どうしたのその格好??』と言われてハッとしましたね。も~アセり過ぎて頭が真っ白になってしまいました…」
なんとか言い訳をして誤魔化せないものかと考えましたが、結局何も思いつかず正直に夫に打ち明ける菜摘さん。
「夫は、信じられないという顔をしてとても驚いていましたね…絶対にドン引きしてるんだろうなと落ち込みました」
すると、夫が急にソワソワしだしたそう。
「『ごめん、実は僕も隠していた事があって…』と寝室に戻りサイフを手に戻ってきて、中からカードを抜きとって渡されたんですよ」
するとそれはギャルキャバクラの名刺で、夫が「実は自分はこの店の常連なんだ」と告白してきました。
「昔からギャルが大好きだっていうんですよ!(笑)でも、自分には接点ないからってキャバクラに行ってたみたいで…怒るよりも先に、なんだはやく言ってよ~って感じでした」
夫は、菜摘さんの派手な服装&メイクを「かわいい、かわいい」とベタ褒めしてくれたそう。
「『高校生の時の写真無いの?』と聞いてくるので見せてあげたら『僕、こんなゴリゴリのギャルと結婚してたなんて…知らないうちに夢が叶っていたんだね』とか言うから笑っちゃいましたね」

それから、菜摘さんがギャルの格好をして仕事帰りの夫を出迎えてあげたり、わざとツンデレな態度で接して夫を喜ばせたりと、マンネリ気味だった2人は一気にラブラブモードに戻りました。
「夫は、もうキャバクラには行かないと言って早く帰ってきてくれるようになったし…なにより私は大好きな派手な格好が堂々と出来て嬉しくて仕方ないです。しかも夫が喜んでくれるなんて一石二鳥ですよ」
菜摘さんは「当時の私に、無理せずギャルのまま彼に近づいて大丈夫だよと教えてあげたいですね」と幸せそうに笑うのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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