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「チェーン店の方が居心地がいい説」は本当?玉袋筋太郎が語る町中華にしかない“旨み成分”

通いながら自分も一緒に成長していく

玉袋筋太郎さん――番組ではお客さんや店員さんとの触れ合いが魅力的に描かれています。そういったことが全国の町中華で起きていると。 玉袋:もちろん味が一番だと思うんだけど、俺はどうしてもそうじゃないところから入っちゃうんだよ。でもそれって面白いわけ。俺のばあちゃんなんかもそんな性格だから、どこの店に行っても、思い出になるように、箸袋を持って帰ってきていたんだよ。なんてことはないんだけど、そういうのが積み重なるだけで、その道のコレクターになれるわけじゃん。なんかそういう人生もいいじゃない。 例えばさ、『孤独のグルメ』の井之頭五郎も店に入ったら勝手に物語を感じ取ったりする。そんなふうに視点を変えれば、いくらでも女性読者の皆さんもストーリーを楽しめるわけ。別に俺にレクチャーされることなんて何もないと思うけど、そういう部分がやっぱり面白いんだよね。 ――なるほど。 玉袋:自分も通っている内に歳を重ねていくからね。いつの日か、“そんなに食えなくなっちゃったなー”なんて思う日が来る。町中華では餃子がだいたい6個出てくるんだけど、若い頃は簡単に食えるよ。でも今の俺は「旨そー!」なんて言うけど、同時に“食べられないわ!”って心の中で思うわけ。女性読者の皆さんは「シワやシミができるのが嫌だ」なんて言うんだろうけど、俺はシミができて、シワが増えていくほうが良いなって思うよ。そんなふうに自分も一緒に成長していったほうが面白いじゃん。

“町中華の所作”なんて、特にない

インタビュー前の「気道確保」

インタビュー前の「気道確保」

――いわゆる“味”を楽しむってことですね。 玉袋:そうだよ。自分の味も楽しめるようになると良いよね。 ――番組が始まるまで“町中華にひとりで行ったことがなかった”という意味では、初代女子メンバーの高田秋さん、坂ノ上茜さんも同じで、玉袋さんから町中華の所作を学んでいったと思います。 玉袋:所作なんて特にないと思うよ。これは種明かしになっちゃうんだけど、町中華のメニューって限られているわけじゃん。だから広がりを持たすために俺なんかは(番組内で一杯目のビールを流し込む際のルーティンとして)「気道確保」とか「洗浄」なんてやっているわけだよ。普通に食えばいいよ。 でもさ、初めて入った店でもやし麺にいきなりお酢をぶっかけちゃう奴っているじゃん。それもまた良しなんだけど、これは常連だけが許されることなんだよ。初めて行った店の料理にいきなり酢をぶっかけるのは、ダメだろうね。まずナマで食えってね。そういうのは恥ずかしいかもね。 ただ、俺から積極的に「町中華に行け、行け」とは言いたくないのよ。だって面白いものは自然と広がっていくし、興味持つ人がいるじゃん。みうらじゅんさんの趣味の話もまさにそうで、わかる人が共感してそこから広がっていく。それでいいのよ。
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ボトルが並んでる町中華は“強えー”と思う
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