初デートは「もう付き合っているかのようないい雰囲気」
デートの当日、2人は待ち合わせをしてスーパーに行き食材を調達し、翔太さんの部屋に向かいました。
「まるでもう付き合っているかのようないい雰囲気でしたね。ちょっといきなり家に行くのはどうかな?という不安もありましたが、桃代の友達ということで、まぁ大丈夫だろうと思いました」

幸いビーフシチューは千夏さんの得意メニューだったので、圧力鍋を持参して腕を振るったそう。
「翔太さんは『おいしい、おいしい!』と大喜びで食べてくれました。そしてあっという間に平らげて、おかわりすると席を立ったので、私は食事を続けながら微笑(ほほえ)ましい気持ちで彼の後ろ姿を見守っていたんです」
そしてテーブルに戻ってきた翔太さんを見て、千夏さんは「えっ?」と思わず声をだしてしまいました。
「翔太さんがよそったビーフシチューは、お肉がゴロゴロ入っていて…ていうか肉しかないというか、鍋の中のお肉が全部入っている感じだったので、つい『どうしてそんな自分本位なよそいかたをするの?』と聞いてしまったんですよね」

ですが翔太さんはキョトンとして、何がいけないのか分かっていない様子だったそう。
「なので『ちゃんとお肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎをバランス良くよそわないと、残りのシチューが野菜しか入ってなくなるでしょ?自分が好きなだけ肉を食べられれば、後はどうでもいいの?』とたたみかけたら、あからさまに機嫌が悪くなり舌打ちされたんですよ」