窪田正孝主演でドラマ化した『宙わたる教室』(NHK総合ほか)は、まさに大人の青春ドラマ! 秀逸でした。

原作は伊与原 新の小説『宙わたる教室』(文藝春秋)
年齢もバックグラウンドもバラバラな生徒たちが通う定時制高校が物語の舞台。大学の助教授だった藤竹(窪田正孝)が理科教師として定時制高校に赴任して、さまざまな事情を抱えた生徒たち(小林虎之介、伊東蒼、ガウ、イッセー尾形)と科学部を新設。世代も性別も、育ってきた環境も、抱えている事情も違う科学部のメンバーが、力を合わせて「火星クレーターの再現」を学会で発表することに挑みます。
この作品は一貫して、“諦めたものを取り戻す場所”をベースに、登場人物たちの成長を描いていました。かつて「科学の前では、みな平等」という考えを権威につぶされた藤竹と、平等ではないことを思い知らされてきた生徒たちが支え合っていくことで、大きな成果を生み出すのです。
平等ではなくとも、一進一退したとしても、“人は誰もが変われる”。説得力のある彼らの“成長”に、勇気をもらった視聴者は多いのではないでしょうか。
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