――そして7番手に登場したバッテリィズ。ここで序盤以来の大爆発が起きました。

©M-1グランプリ事務局
<これは完全にカウンターでしたね。ジョックロックとは逆の、型じゃなくて中身のネタ。お笑いってこうだよね、みたいな。
順番的にも、そろそろお腹が空いてきたところに良いタイミングでガツンと来た感じ。これは審査員にも効いたと思います>
―――突如現れたマンガの主人公みたいでしたよね。
<エースさんって、たぶんボケてないんですよ。きっと彼は本当にそう思っているという、漫才の真髄(しんずい)。特に礼二さんは高く評価してました。礼二さんは、漫才において会話の自然さや、立ち話の延長を最も大事にしている人という印象があります。
ネタの構成も実は凄いんです。エースさんというあれだけの素材を捕まえた時、書き手は自分の手柄にしたがる人が多いと思います。でも、寺家さんはそうはしない。エースさんをバカにせず、彼にわかりやすく説明してる、ただそれだけ。完全に日常会話の延長になってるんです。ここ数年でも一番のネタだと思いますよ>
――反面、この大爆発の後で出てきた8番手のママタルトは沈んでしまいました。

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<バッテリィズの余韻がすさまじかったですね。いったんCMをはさんでもまだ残っていた。結果、審査員から長めのツッコミについての集中攻撃みたいになってしまったし、檜原さんのツッコミの良さがこれで失われてしまわないか心配ではあります。大鶴肥満さんがフィーチャーされがちですが“檜原さんの愛らしさ”がわかると非常に面白いコンビなんですよ>
――そういう意味では、今回のM-1は顔見せとしては良かったのかも。
<ですね。一回で良さがわかりにくいかもしれませんね。ラーメン二郎みたいに(笑)。楽しそうにネタをする二人っていうのがストロングポイントなので、そこは絶対に消えて欲しくないですね>