バッテリィズ応援の空気でも圧倒した令和ロマンの勝因とは

©M-1グランプリ事務局
――最終決戦進出は、真空ジェシカ、令和ロマン、バッテリィズ。審査員の投票結果は令和ロマン5票、バッテリィズ3票、真空ジェシカ1票でした。
<これはもう、見た印象通りの結果でした。会場の空気は審査員も含めてみんなバッテリィズを応援していた人が多かったのではないでしょうか。が、致し方なしだと思います。令和ロマン、圧倒的でした。
くるまさんには俳優のポテンシャルの高さを感じましたね。どれだけの役を演じ分けたのか……。若手のネタ見せであんなネタを持ってこられたら絶対に私は止めますよ。ケムリさんが硬くなるくだりも、理屈がなさすぎるので止めると思います。でも、それらを乗り越えてきてしまう技術の高さ。
大喜利力は真空ジェシカだし、人間力はバッテリィズですけど、立ち回りと表現力が群を抜いていたのが令和ロマン。彼らのストロングポイントが明白になりましたね>

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――結果、令和ロマンが二連覇の偉業を成し遂げました。
<今大会は「順番」と「流れを掴む力」が鍵になっていたと思います。また、新しい審査員たちがすごく良かったと思いますし、松本人志さんのいた位置が中川家・礼二さんだったのも納得でしたね>
松本人志は不在だが、審査員は影響されていない芸人はいない
――審査員に松本人志がいなかったことについて、何か感じましたか?
<確かに本人は居ませんでしたけど、審査員の世代を考えると、あの中には誰一人として”松本人志”に影響されていない芸人はいないわけです。そういう意味では、松本さんはM-1の神のような存在になったのかな、と(笑)。
だからこそ、そろそろ審査員に世代幅を与えてもいいような気がするんですよね。霜降り明星の粗品さんだったり、令和ロマンのくるまさんだったり>

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――松本イズムを継承していない世代が審査するとなると、また大きな変化が訪れそうです。
<来年以降のM-1に今回以上の価値が生まれるのか心配になるほど盛り上がりました。もし、次回ドラマがあるとするならば、令和ロマンにはリアルにV3を狙って欲しい。反面、くるまさんの「終わらせよう」の言葉通り、これまでのM-1は終わりにしてしまってもいいとも思います>