いかなる事情があろうとも、お客様が不快に感じるような態度を取るのは接客業として失格です。
その上で、消費者側も「美容部員という仕事」に対して、ちょっと間違った認識を持ってる人が多いとも感じています。
美容部員の仕事とは一言で言うと「化粧品の販売」です。例えば餃子の試食を思い浮かべるとわかりますが、あれは「試してよかったら買ってね」という販売促進のためのサービスですよね。美容部員のタッチアップもそれと同じで、買ってもらうために無償で提供しているサービスであることを理解しておきましょう。
美容のプロとしての資格等がなくても就ける販売職ですから、「すごく美しい美容のプロにアドバイスをもらう」と思って緊張してしまう必要はないのです。逆に「アドバイスしてくれて当たり前」と思ってしまうのも間違いです。
前出のコメントのとおり、美容部員にはノルマがあります。今日は何人接客して、いくら売上げて、客単価はいくらなのか。販売が仕事なので、そうだろうなと想像がつきますよね。そうすると「買わない人の接客をするのは客単価が下がるのでマイナスなんだな」、と美容部員の状況を理解することができます。
その上で消費者側である私達の希望として「気軽に試してみたい」「営業されたくない」「買わなかった時のイヤな空気を避けたい」を叶えるにはどうしたらいいのでしょうか?
「デパコス攻略ツアー」でみなさんに最初に伝えているのが、「相手の時間をムダに奪わないように」ということ。
具体的に言うと「試してよかったら買うつもり」という、ほぼ確定段階でなければ、むやみに椅子に座ってタッチアップをしてもらわないようにとレクチャーしています。

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そのためには、まず自分でテスターを使って、手の甲で色やテクスチャを確認しましょう。もし使い方などで質問があれば近くにいる美容部員さんに声をかけ、いろいろ情報を仕入れるのはもちろんOK(土日や忙しい時間帯は手短に)。
その上で購入に前向きな場合にのみタッチアップをお願いすればいいのです。まだ決めてない段階でタッチアップを勧められたら、正直に「他も見たいので決まったらお願いします」とお断りすればマナーのいい人だと感じます。「相手の時間をムダに奪う」ことを少しでも減らすような配慮をしてお互いに気持ちよく過ごしましょう。