「Aさんが私の罠にハマって以来、ゴミが持って行かれることはなくなりました。というか、最近Aさんを見なくなったんです」

風の噂によると、あの一件のあとしばらしてからAさんの姿は誰も見なくなったそうです。どうやらどこかよその地に引っ越していったとのこと。その後、純子さんは順調に家の整理も進み、引っ越しも目前です。
「私のような考えの人もいるかもしれませんし、ゴミといっても最初は気に入って手に入れた物なのだから、変な考えかもしれませんがゴミ収集車が持って行ってしまうまでは勝手に持ち去らないで欲しいんですよね」
<文/浅川玲奈>
浅川玲奈
平安京で生まれ江戸で育ったアラサー文学少女、と自分で言ってしまう婚活マニア。最近の日課は近所の雑貨店で買ってきたサボテンの観察。シアワセになりたいがクチぐせ。