「高校時代はおそらく、私はうつだったと思います。学校に行きたくないときもありましたが、母は『あなたの心が弱いから。お母さんはなったことがないから意味が分からない』『
世の中にはもっとつらい人がいるのに、学校に行きたくないとか理解できない』と言いました。
遅刻が多かったものの、家にいたくないので高校は行ってました」
家に友達を連れて来れば、「
あの子は服装がだらしないし可愛くない」「
あの子の親はどんな仕事をしているの?」と言われて不快な思いをさせられます。そのため友達を家に呼ぶこともなくなりました。

写真はイメージです(以下同じ)
あるとき先輩と遊びに出かけて、家の門限の18時を過ぎてしまったことがありました。携帯には母親から、100件以上の着信。その時に
先輩から「おかしいよ」と言われ、初めて自分の親がおかしいのかもしれないと思ったそうです。
とはいえ、よその家の事情はよく分かりません。
ほかの子の親たちも程度の差はあれ、同じように子どもに干渉しているのではないかという思いも当時はあったそうです。
「
いまの時代は大学に行かないとダメ」というのが母親の方針でした。高校時代、周りがオープンキャンパスに行っているときも、やりたいことがなかった茜さんは進路を調べることもなく、お姉さんと同じ芸術大学に進学します。
大学生になれば高校までの厳しい校則から解放され、好きな服や髪型にしたくなる人も多いでしょう。ですがそれらの自由も茜さんにはありませんでした。18歳といえば、今ならもう「成人」の年齢だというのに。
母親の趣味はフラワーアレンジメントで、“お花モチーフなどのロマンティックで甘い雰囲気のアイテムが似合う娘”が理想だったようです。
「私が興味を持った雑貨屋でのバイトは、母親にダメだと言われました。バイト先を探す上では『コンビニはやめて』『総菜屋はダメ』『制服が可愛いところにして』という条件を課されたので、ケーキ屋でバイトをしました」
バイトで貯めたお金で美容室に行きショートカットにしたところ、「
その髪型、みっともない。女の子なのに短くて周りから笑われるよ」と言われます。