『きのう何食べた?』原作ファンも納得の“ジルベール”
もう1作品、磯村を語る上で欠かせないのが、ドラマが大人気で映画化もされた『きのう何食べた?』シリーズ。主人公のシロさん(西島秀俊)×ケンジ(内野聖陽)の友人で、小日向(山本耕史)の恋人・ジルベールこと航を演じています。よしながふみ先生による原作のファンからしても、文句なしにジルベール!
西島・内野・山本の3人をその自由奔放さで振り回す様子は、愛らしくて目が離せません。
この両極端な役どころを見事に演じ分け、2022年の第45回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。2023年には、映画『月』『正欲』、そして『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』『最後まで行く』『波紋』『渇水』に出演し、翌年の第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ、各映画賞を総ナメにしました。どれも磯村の演技が、作品に大きな影響を与えています。
間違いなく“良作に磯村あり”の活躍ぶり!
『クジャク~』では、週刊誌の記者・神井孝を演じます。目的のためには手段を選ばず、主人公・小麦の身辺を嗅ぎまわる厄介な人物です。磯村が演じるからには“厄介者”をただの“厄介者”では終わらないはず。深い人間表現によって、作品の質を押し上げてくれることでしょう。
そしてもう一人の“出演作にハズレなしの俳優”、松山ケンイチです。2006年に映画『デスノート』でL役を演じ、注目を集めるとたちまちトップ俳優の仲間入りを果たします。漫画原作の個性的なキャラクターも難なく担うことでカメレオン俳優と称され、第一線で活躍してきました。
主演俳優として圧倒的な華があることはもちろんですが、
助演であっても非常にいい仕事をする俳優でもあります。直近の助演作品で印象的だったドラマは、井上真央主演の『100万回 言えばよかった』や、岸井ゆきの主演の『お別れホスピタル』、そして伊藤沙莉主演の朝ドラ『虎に翼』でしょうか。どの作品においても役がもつキャラクターの魅力は立たせながらも、相手に対する“受け”の演技が抜群でした。