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斎藤工や坂東龍汰が幼い頃に受けた“一風変わった教育”。注目俳優の意外な共通点とは

初等教育を学んだ斎藤工と坂東龍汰、村上虹郎

シュタイナー教育の例

※イメージです

 シュタイナー教育が、何より重んじるのは、子どもたちの個性である。ただ、この個性とは、世界に一つだけの花的なノリで、安易に個々人に才能があるんだということを喧伝するものではない。  それは、それぞれの内面からあふれるものであり、内面的な手続きによって引きだす個性である。斎藤工は東京シュタイナーシューレ2期生として6年生までシュタイナー教育下で学び、坂東龍汰は北海道のシュタイナー学園いずみの学校高等部までみっちり学んだ。  しかも坂東は、同じシュタイナー教育を学んだ村上虹郎に俳優としての進路を相談し、現在所属する事務所の情報を得ている。坂東のXアカウントを確認すると、東京国際映画祭で村上と斎藤とのスリーショットが投稿されている(2020年3月31日)。  いずれも、個性が内面的に引きだされやすい初等教育でシュタイナー教育を経験している。国語や算数などの特定科目を並行して学ばず、ひとつの科目を一定期間、集中的に学ぶ。各科目のインストールに時間をかけながら、自分で考え、物にする力を養う。他にも絵画や木工など、特にアート系科目に注力して、内面性をレッスンする特徴がある。

内面的アプローチによる役作り

 受験まっしぐらの一般的な教育に比べ、たっぷり余白を用意することで、子どもたちは自ずと興味・関心の幅を自由に広げていける。すると選択肢も増える。時間はかかる教育方法だが、この内面的な手続きはそのまま演技の役作りに似ている。  代表的な役作りの方法として、メソッドと呼ばれる、ニューヨークの演技学校であるアクターズ・スタジオ由来の演技論がある。この学校で指導していたリー・ストラスバーグが俳優の内面的アプローチによる役作りを実践していた。  門下としてロバート・デ・ニーロのようなスター俳優を輩出している。内面への過剰な掘り下げによって映画俳優としてはやや軽やかさ、しなやかさを欠く欠点がある演技論だが、日本を含む世界中で未だに有効な方法論のひとつではある。
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“総合芸術としての教育”とされるシュタイナー教育
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