
ある日のこと、有機キャベツの価格が高騰していないことに気がつきました
有機野菜は慣行野菜に比べて栽培に手間がかかる、収穫量が少ないなどの理由によって価格が高くなってしまうのは真実です。
実際にスーパーで価格を調べてみると、慣行野菜に比べて1.5~3倍程度になっています。しかしながらキャベツの高騰が気になる今、有機キャベツの価格を見て驚いたのが、慣行キャベツと同価格帯になっていることです。
ここで知っておくべき事項は、慣行野菜は市場相場によって商品原価が上下しやすく必然的に売価も上下するのに対して、「有機野菜は市場相場という概念がない」ということ。農家と小売のつなぎ役である卸売業者が売価を決めるために比較的安定した価格設定となるのです。これは普段有機野菜を買わない人であっても知っておくと役立つ事実かもしれません。

黒い斑点が目立つ有機レモン
有機野菜は虫食いやキズが多くて汚いというイメージが強いとすれば、それは冷静に正す必要があるかもしれません。
そもそも有機野菜は自然の生態系を活用して野菜そのものが持つ力を発揮させる栽培であるため、野菜それぞれの成長スピードにバラつきが出やすく、サイズや形がバラバラになる傾向があります。

しかしながらそれは汚いのではなく不揃いであるということ。また適切な方法で栽培された有機野菜を見ると、虫食いはなくツヤがあるため一概には言えないのです。
また有機の柑橘類によく見られる外皮のキズや黒点の正体は、ポリフェノール。化学合成農薬を使用していない証であり、これをどうとらえるかは、知識の差や個人の考え方によるものが大きいと言えます。