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――春といえば、嫌なニオイを出すカメムシの出現も心配ですね。
佐々木先生:いまの時期だと、去年の秋口あたりから家のなかや家の外回り、ベランダなどの目立たない場所で越冬したカメムシが隠れていることがあります。2024年は、大量発生したので、今年はそういうカメムシも多いかもしれません。
暖かくなると出てきて繁殖するため、普段は気づきにくいところにカメムシがいっぱいいたりすることもあります。このように冬を越すために家のなかに入ってくるカメムシは、“秋口に家へ入れない、家の外回りやベランダなどに寄せつけない”対策をしておくことが大切です。
――なるほど。春に嫌な思いをしないためには、秋から対策をしておく必要があるのですね。
佐々木先生:はい。カメムシは、春と秋に対策をするのがおすすめです。また、春が少なくても秋に多く発生する場合もありますし、その逆もあります。あと、秋口に入ってきたカメムシは、真冬でも出現する場合があるので注意してください。
たとえば普段は使っていない部屋にお客さんが来てエアコンやファンヒーターをつけたら、秋口に侵入していたカメムシが出たという問い合わせがくることもあります。これは、部屋の温度が上がって「春が来た」と勘違いしたカメムシが出てきてしまうことによるものです。
――秋口にカメムシの侵入を防ぐには、どのような方法がありますか?
佐々木先生:実はカメムシ、春と秋では対策の方法が異なります。春は灯りに寄ってくるのですが、秋口は玄関や隙間から侵入する。なので秋口は、玄関や窓をピッチリと閉め、網戸に損傷があれば修繕して備えます。
ほかの虫と同じで、家の外回りにある雑草を抜いたり物やゴミを片付けたりすると隠れ場所がなくなって近づきにくくなり、結果的に家への侵入を防ぐことにもつながります。あとは、屋外側から網戸や窓ガラスにスプレーできる虫よけや吊るすタイプの虫よけも効果的です。
――ちょうどいまぐらい、春の対策方法についても教えてください。
佐々木先生:春のカメムシは、灯りに寄ってきます。夜の玄関ライトや家の窓から漏れる灯りなどに寄ってくるので、玄関灯を消したり、家のカーテンを遮光カーテンに変えたりして隙間がないよう閉めるというのもひとつの方法です。あとは昼間の洗濯物。
――洗濯物にカメムシが紛れて家のなかに入ってきた、というのはよく聞きますね。
佐々木先生:はい。カメムシは明るいところが好きなので、光を反射する白色を好みます。また、あたたかいところが好きなカメムシにとって日光であたためられた洗濯物は居心地のよい場所になってしまうので、この時期だけ部屋干しするといいですね。
――外に干したいという人は、どうすればいいでしょう?
佐々木先生:よく確認してから洗濯を取り込む方法もありますが、紛れ込んでしまうこともあるでしょう。洗濯物についたカメムシを駆除するときに殺虫成分を使いたくないという場合、凍らせるタイプもあります。オイル不使用の製品を選べば、洗濯物もベタつきません。