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「女性が生きやすい社会は男性も生きやすい」29歳女優が語る、新作に息づく“フェミニズム”

迷いがあるときは必ず自分にホンネを問いかける

橋本愛さん――「女子SPA!」ではホンネの人生観や仕事観をみなさんにうかがっているのですが、今大切にしていることは何ですか? 橋本:それこそホンネは、常に自分に問いかけているんです。何かで決断に迷っているときは、必ずホンネに問いかけているようにしています。ホンネっていう本当の自分が、どこか別人のような存在感で自分の中にいるんですよ。それは、理性を通過していない純度100パーセントの本当の自分で、迷っている時に話しかけるんです。迷っているときって、心と体チグハグな時だと思っているので、自問自答する機会は多いですね。 ――橋本さんの存在が注目された映画『告白』から数えて15年ですが、節目という意味で意識することはありますか? 橋本:期間についてはまったく意識していないです。こういう取材で聞かれたときに何周年なんだなと思いますが(笑)、数字を指標にしていることはあんまりなくて。常に今の自分に必要なこと、未来に必要なことを見続けている感じなんです。 ――今、必要だと思うことは何でしょうか? 橋本:世界で仕事をしたいと思っているので、英語の勉強を地道にやっていますし、あとは演技をちゃんと楽しめるようになるという課題もあります。演技は、わりと苦しいことが多いんです。もちろんお芝居は好きで楽しいことなのですが、もうちょっと感情を拡張したいと思っています。 後は今ダンスを始めて、ヒップホップや日本舞踊をまた始めました。体を動かすことが好きなので、自分の体を知ること、それを(お芝居に)連動させることなどが今の課題です。

演じることは“自分を傷付ける行為”でもある

橋本愛さん――お芝居、苦しさのほうがちょっと勝っているんですね。 橋本:演じることは、本当に自分を傷付ける行為なんです(苦笑)。基本的に苦難に立ち向かう姿を描くじゃないですか。何も起こらずハッピーに過ごしていれば幸せなのですが、そういう物語はほとんどないので、ひと作品ごとにトラウマを自分の体に刻まなければいけないから、どうしても傷が体に残るんです。その傷が増えれば増えるほど、もっと健康的にできないかなと思うので、それが今の課題ですかね。 でも、そうやって苦しんでやればやるほど、登山と同じで最後には美しい景色が広がると思うんですよね。苦しいことを経ずにやることはできないから、苦しむことすら楽しめるようになれたらいいなと思っています。 ――そういう方っていると思いますか? 橋本:いると思います。たとえばお芝居のレッスンを努力だと思ってない人(笑)。熱中できることは本当に天性のものだと思いますし、わたしは努力! 努力! という感じでやってきたので、楽しい人には叶わないなと思うんですよ。だから楽しめるまでもっていきたいんです。
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「超若い!」というマインドで生きている
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【作品情報】
『早乙女カナコの場合は』
3月14日(金)新宿ピカデリーほか全国公開中
(C)2015 柚木麻子/祥伝社 (C)2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会
配給:日活/KDDI
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