Entertainment

「オレの稼いだ金で飲む酒はうまかったか?」外食した専業主婦の妻を、靴下で叩くモラハラ夫。ある日“死にかけた”とんでもない理由は|ドラマ『夫よ、死んでくれないか』

「オレの稼いだ金で飲む酒はうまかったか」

 フリーの編集・ライターとして仕事をする璃子は、束縛してくる夫がうっとうしくてたまらない。外で麻矢たちと会っているときは10分ごとに写真を送ってほしいという夫なのだ。夫はそれを愛情だと勘違いしている。  そしてもっともわかりやすくひどいのが友里香の夫である哲也だろう。専業主婦の妻が友人と会って帰ってくると、「朝から働いてクタクタだってのに、子守までしてやって。ありがたいと思えよな」と文句を言い、「うまかったか? オレの稼いだ金で飲む酒は」と顔を近づけてくる。あげく、脱いだ靴下で妻の頭をはたくのだ
 こんなとき、女性がどれほどせつない思いをするのか、世の男性たちには理解してもらいたいもの。経済力がないのはその女性のせいではない。妻は専業主婦、夫は外で働くという従来の形で生活していくことは、夫婦ともに納得しあっての結論のはずなのに、それを取り沙汰して、妻を無能扱いするのは身勝手すぎる。

新鮮さを失い、飽きが生じ、飽きは腐敗を生んでいく

「人生の最後まで一緒に過ごそうと誓った。その誓いは幸福となり、いつからか幸福は後悔へと変わり、後悔は絶望となり、そしてこう願うようになっていた。夫よ、死んでくれないか」とドラマの冒頭で3人の女性は声を合わせる。  結婚は、生の人間同士の日常生活である。日々刻々と、人の置かれた状況も考え方も変わる。だが結婚生活という日常に、生身の感情は埋没していく。だから新鮮ではいられなくなり、飽きが生じ、飽きは腐敗を生んでいく。  そんな中で、ドラマは動き出す。麻矢が夫の自宅での浮気を責めている最中、友里香から連絡が入るのだ。「夫を殺してしまった」と。駆けつける麻矢と璃子。どうせならいっそ殺してしまおうかと3人は相談し、哲也の足をガムテープで縛ったりするのだが、その最中、幸か不幸か、哲也は意識を取り戻す。 「殺さなくてよかった」そう思う気持ちがやるせない。

夫婦3組6人の男女はどう変わっていくのか

 そして麻矢の夫の勤務先から連絡が入る。夫が職場を無断欠勤していると。  璃子は璃子で、引き出しの奥からいつもとは違うスマホを取り出す。いつものスマホは夫からGPSをつけられているのだ。そのスマホを置き、別のスマホで電話をする璃子。女性たちにもそれぞれ事情がある。さらに麻矢の上司と後輩の女性も、なにやら一癖も二癖もありそうで目が離せない。
 夫に死んでほしいと願っている妻たちとその夫たちが、今後、どうなっていくのか。そして夫婦3組6人の男女はどう変わっていくのかが楽しみである。 <文/亀山早苗>
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ