――アルコール除菌はキッチン周りだけでなく、シュッとスプレーするだけで家じゅうの至るところが除菌できる楽ちんなアイテムですが、注意することなどありますか?
進藤さん:アルコール除菌スプレーをしたあと、すぐに乾いた布などで拭き取ってしまう人も多いようですが、そうすると除菌の力が半減してしまいます。スプレーして10~30秒ぐらい経ってから拭き取るか、たっぷりとアルコール除菌の液を染み込ませた布を使って対象物を拭くようにしてください。
また、抗菌成分の入った商品の場合は拭き取らずそのままにしておきましょう。そういった商品には「ふき取りなし」「ふき取りや水洗いも不要」などと記載があります。
――なるほど。
進藤さん:あと、アルコール除菌にはアルコールが含まれているので、火の気のあるところでは使用しない。ソファなどの革製品やワックスをしたフローリングなど、素材を傷める可能性があるものにも注意。商品のラベルをよく確認してみてください。
――使い方を間違えると怖いですね。
進藤さん:正しく使っていただければ、油汚れにも強いアルコール除菌はキッチン周りを掃除するのにも便利です。調理中に油の飛びやすいIHコンロなど、油汚れに直接スプレーをして油を浮かせ、しばらくしてから拭き取ると汚れが落ちやすくなります。
――便利なアルコール除菌スプレー、ほかにもおすすめの使い方はありますか?
進藤さん:食器用スポンジを使い終わったあと水気をしっかりと絞ってスプレーしておくと、嫌なニオイを防ぐことにもつながるのでぜひ試してみてください。泡立ちに影響する成分も入っていないですし、使いはじめるときにはアルコールが飛んでいるので、普段どおり食器用洗剤をつけて問題ありません。
――食器用スポンジにもアルコール除菌をしたほうがいいというのは知りませんでした。
進藤さん:食器用スポンジから漂ってくる嫌なニオイ、実は菌によるもの。菌がスポンジに溜まっている食べ物を栄養にしようと分解しているときに、あの嫌なニオイが発生します。菌というと、どうしても食中毒や病気のイメージがあると思いますが、このようにニオイ発生の原因となっていることもあるのです。
――そういったケースは結構あるのでしょうか?
進藤さん:たとえば、キッチンやリビングなどの居室空間などで異臭がすると感じたとき、「生乾きの洗濯物かと思ったら、実は布巾が臭くなっていて、それでテーブルなどを拭いたからだった」という話もあります。これは、使ったあとの台ふきんをそのまま放置して菌が繁殖し、ニオイを発生してしまったというケースです。
――布巾をすぐに洗っていても嫌なニオイがするという話もよく聞きます。
進藤さん:そうですね。使ったあとの布巾は塩素系漂白剤を使うなど、やはり除菌が必要。漂白剤でのつけおきが面倒という場合は、テーブルなどの対象物に直接アルコール除菌スプレーをしてからキッチンペーパーやティッシュで拭き取って捨てると衛生的です。