AAA與真司郎が明かすゲイ公表後の苦悩「カミングアウト直後はメンタルが…」ひとり旅で転機
AAAのメンバーとして、ソロアーティストとしても活動する與(あたえ)真司郎さんが最新フォトエッセイを刊行しました。與さんが自らの人生を振り返り、カミングアウトするまでの人生と、ゲイであることをカミングアウトした後のことを赤裸々に明かします。
そのタイトルは『人生そんなもん』。自身がその心境に至った背景、カミングアウト直後のこと、そして今回のエッセイを出そうと思った理由など、今の想いも含めて聞きました。
――本書には、2023年のカミングアウト前後の心境も記されていますね。
與真司郎(以下、與):カミングアウトした直後は、本当にメンタル的にやられてしまって……。それを経験して、「このままじゃダメだな、自分、変わらないとヤバいな」って思ったんです。
それで、2024年の7月と8月に、人生で初めて2か月間の休みを取って、何もしない旅に出ました。もともとLAに住んでいたのですが、LAの家を手放して。世界を回ったことはなかったので、「世界を回って、自分らしく生きていこう」って、2か月のソロトリップに出たんです。
――それは価値観に大きな影響を与えそうな旅でしたか?
與:その2か月間は、自分と向き合う時間が本当に長くて。「自分はこれでいいんだな」って、すごく腑に落ちたといいますか。そこから、「いろいろな人がいるし、自分らしく生きていくのが一番の成功だな」って思えるようになったんです。
もちろん、人生はうまくいかない時も多々あるけれど、そういうときは「人生そんなもん」って思うようにするようになりました。だから、去年の7月、8月くらいにその考え方にたどり着いて。今回のフォトエッセイのタイトルにもなっています。
――ひとり旅って、自分で全部やらなきゃいけないですし、知らない人たちの中に入るしで、大変なことも多そうです。
與:そう。全部自分でやらなきゃいけないから、いろいろな刺激をもらえて、すごく成長にもつながったんですよ。思っていた以上に「自分ってできるじゃん」って思えたし、自信にもなったんです。昔は海外に行くことがとても怖かったのに、今は自信を持って歩けています。そんなふうに、毎日のように小さな気づきがありました。
たとえば、「あれ? 俺、ヨーロッパの自分と同じように英語を第二言語として扱う人と比べると英語うまくなったなー」とか(笑)。そういう小さなことですが、それが積み重なっていって、2か月後にはすごく成長した実感がありました。僕、もともと「人生ってそんなに簡単に変わらない」って思うタイプなのですが、あの2か月は本当に行ってよかったなって、心から思っています。
――今回の書籍の内容についてですが、あまり詳しく聞いてしまうと、買ってくださる方の楽しみがなくなりますので、概要を少し聞いてもいいでしょうか?
與:そうですね。本の中には、僕の生い立ちも書いています。芸能界での苦しみだったり、楽しいことだったり……。あ、楽しいことも書いていたかな? あまり書いていないかも(笑)。
とにかく、今までの人生の軌跡ですね。そのなかに、僕がすごく気を使っているメンタルヘルスの話も入れています。読んでくれた人が「こういう考えもあるんだな」って思ってくれたらいいなと思って、ちょっとヒントになるような要素も入れてます。
なので、カミングアウトの前後だけじゃなくて、小さい頃からのいろんな思いを綴ったエッセイになっています。恋愛のことも書いちゃいましたし、「これ以上隠すことないんじゃないかな」って思うくらい。もう世間に隠していることはほぼない気がします。基本的にあんまり隠しごとが好きじゃないタイプなんですよね。

カミングアウトした後は精神的につらかった時期も

生い立ちや芸能界での苦しみについても明かした
