──朝ドラへの出演はたいへん喜ばれたのでは?
本田:そうですね。会ったことのない方からも知り合いを通じて感想のお声をいただきました!(笑)。
──本田さんの出演作を拝見していて、演じている人の背景が想像できるような奥深さをお芝居に感じます。役作りで人物像をかなり掘り下げたりするのでしょうか?
本田:それはすごく嬉しいです。作品に入る前に本人の「履歴書」みたいなものを自分で書くんです。脚本を読んでいて、たとえば「お父さんがいる」と書かれていても、「お母さんは?」「友達はいるの? いないの?」みたいなことは書かれていなかったりするんです。年齢は書いてあっても、普段何を食べて過ごしているのか、書かれていなかったりして。
──そういうものを補完していくんですね。
本田:はい。「好きな食べ物はラーメン・餃子」だったり、「友達は少ない」だったり。そういうことを想像してバックボーンを作ってから作品に入ることが多いです。
──最後に、20代後半をどう過ごしたいか、今考えていることがあれば教えてください。
本田:これまで以上にお芝居としっかり向き合っていきたいです。それと同時に、自分自身とも向き合っていきたいです。自分を見失わずにいたいなって。
──見失いそうになる瞬間ってあるんですか?
本田:ありますね。毎日、朝同じような時間に起きて、夜は同じようなものを食べて、と繰り返し同じ生活をしていると、「自分、何してるんだろう?」ってふと考えたりするんですよね。
でも、そういうタイミングは、自分の好きなものだったり、趣味だったり、友人と会ったり、家族と話したり、そういう時間はずっと持ち続けたいと思っています。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。