「家庭には明らかにマイナス」離婚の話を出したことも
婚外恋愛は「家庭には明らかにマイナス」と小山さん。
「沙織さんにもらった香水を見つかってしまったり、妻にバレかけるたことも何回かあって。慌てて『会社に美容男子がいて……』って言い訳したら、『このブランド、30代女子が好きなのだよ』って返されました。わきが甘かったな、と思いましたね」

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さらに、沙織さんとお茶をした時の明細も落としてしまったそうで……。
「『この時間、仕事してるって言ってなかったっけ?』って問い詰められて。 苦し紛れに“さみしくてデートクラブに行った”って言ったら、『本気の相手がいるよりかはマシだわ』って」
奥さんはプライドの高さから、あえて大きな問題にはしなかったと話します。そして、小山さんの突き放すような態度から、驚くような行動に出始めたのだとか。
「急に誘って来るようになったんです。セックスレスになり始めた当初であれば嬉しかったと思いますが、今となっては……。ただ、拒めば疑われてしまうので、受け入れています。表面上では夫婦仲はよく見えるかもしれませんが、たしかに亀裂は広がっています。若い頃のように『未来を一緒に作る』という感覚は、もうありませんね。かわされてしまいましたが、一度、離婚の話も出したくらいです」
沙織さんと出会うまでに小山さんは73人とマッチング、13人とデートをし、うち2回以上会ったのは4人。
「子どもがいない、年収も安定している、自由な時間がある、この3条件が婚外恋愛市場では、強力な武器になると実感しました」と自身を分析する一方で、アプリ特有の人間関係の脆さも感じたといいます。
「やり取りしてた十数人が、ある日を境にパタッと誰からも連絡こなくなるとか、普通にあるんですよ。1日返信しなかっただけで、ブロックされたこともありました。人間関係の希薄さっていうのかな。本当に、その時その時の気持ちに合うか合わないかだけ。いい意味でも悪い意味でも、割り切りがすごく効いてる世界でした。
結婚しても、仕事で成功しても、心のどこかに空いてるスペースって、たぶん誰にでもあると思うんです。それをどう埋めるか、どう折り合いをつけるか。今は、そういう時代なんじゃないかなって思ってます」
<取材・文/綾部まと>