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アメリカ育ちの息子が「日本の高校に進学したい」と懇願したワケ。日本人の母が語る“日本の教育の魅力”

高校受験の経験は2人の自信に

左から、カイくん、コビくん

左から、カイくん、コビくん。今年度から晴れて同じ高校に

――カイくん、コビくんは日本の高校受験を通して、どう成長したと感じますか? 悠子:たくさんあるのですが、1つは勉強だけではなく、“学ぶこと”の楽しさをわかってくれたこと。また、「もうダメだ」と挫折しそうになっても、そこから這い上がってハードルを越える経験ができたことだと思います。 一時期はどうしても点数が伸びなくて「もう受験できない」と落ち込んだこともありました。それでも「あの高校に入りたい」と希望を持ってやることを学んだのじゃないかな。それが将来、社会で壁にぶつかったときに、「受験のとき、自分はやりきったんだから」と踏み出せる自信になると思います。 それができたのは、学校の先生方のサポートがあったからこそ。「日本語上手になってきたね」とすごく褒めてくださったり、日々の学校生活で自信を付けてくださったおかげです。本当に、日本に来てよかったなと思っています。

すべてが新鮮だから、前向きに取り組めた

日本の自宅前にて。カイくん中3、コビくん中1、ライアンくん小2の頃

日本の自宅前にて。カイくん中3、コビくん中1、ライアンくん小2の頃

――日本の教育事情について、「昔とこんなに違うの?」と驚いたことはありますか? 悠子:小学生から塾に通っている子の多さにびっくりしました。昔は、「お金持ちが行くもの」という認識だったので(笑)。「満点を取らないと褒めない」というお母さんも実際にいるし、子どもが勉強できないと不安になる親御さんがすごく増えた気がします。 カイとコビが、受験勉強をこんなに頑張れたのは、アメリカにいた頃は周りの多くの子どもたちと同じようにあまり勉強していなかったからだと思います。だからこそ、すべてが新鮮で前向きに取り組めたんじゃないかな。もし小学生の頃から厳しく勉強させていたら、燃え尽きてしまっていたかもしれません。 2人とも自分で目標を持って勉強をしていたので応援していましたが、私は学歴があれば成功するとは思っていないんです。勉強が得意でも、人生がうまくいかない人をたくさん見てきました。「勉強ができればなんとかなる」という社会の風潮は、すごくもったいないと思うんです。勉強をしたいならすればいいし、別の目標があるなら、それに向かって努力をすることができれば、今の時代は勝ち上がっていけるような気がします。
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改めて、日本で子育てをする良さとは?
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