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GACKTの“痴漢被害”告白を「笑い飛ばしてる場合じゃない」理由。男性の性被害は“ネタ”や“ラッキー”なのか

“ネタ”にされることで、被害告白のハードルが上がる

 性被害は決して“ネタ”ではない。GACKTがその後何十年も電車に乗れなかったことを考えれば、決して小さくない精神的苦痛を受けたことは容易に想像がつく。男性の性被害が軽んじられる状況は、男性が性被害を告白するハードルを上げる。さらには「自分が被害者である」と認識することすら難しくしてしまうのではないか。
Me Too

写真はイメージです(以下同じ)

 性被害といえば、セクハラや性虐待、性的暴行の被害者が自身の経験を告白・共有する国際的な運動「#MeToo運動」が注目を集めた。MeToo運動は決して女性限定ではないが、少なくとも日本では、MeToo運動の力を借りて男性が被害を告白するのは難しいように思えた。  男性に特化したムーブメントを作るためにも、今回のGACKTの勇気ある告白を、男性の性被害について考えるキッカケにしていきたい。

「何をされているかわからなかった」性被害の瞬間

 実を言うと、GACKTの投稿を受けて「他人事とは思えなかった」。というのも、筆者も中学生時代に痴漢被害に遭ったことがあるからだ。  当時は電車通学をしており、下校中に中学校の最寄り駅のトイレから出ようとした時、同じ中学校の全く面識のない男子生徒とすれ違うタイミングで、急に股間を握られたことがある。  その瞬間、「あれ? 今何をされているんだ?」「この人知り合いだっけ?」「こういう時ってどうすればいいんだ?」とパニック状態に。抵抗することはおろか、声を出すこともできずにいると、その男子生徒は走ってその場を去ってしまった
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誰かに話す方法が“ネタにする”しかなかった
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