なんとあのオドオドしていた茉奈ちゃんが、
マスターをあごで使ってオレンジジュースを用意させながら女王のごとく振る舞っていたそうで……。
「しかも、なんかマスターが嬉しそうにしているのが気持ち悪いなと思いましたね」

すると今度はボーイのヒロくんが店内に駆け込み「茉奈ちゃん、これ頼まれたやつ買ってきたよ」と、この近くにはない某有名ハンバーガー店の袋を彼女に差し出します。茉奈さんは「
もっと早く買ってこれないの? 使えねーな」と悪態をつきながらバーガーをかじりだしました。
その姿を見てニヤニヤしているヒロくんの顔を見て、咲子さんは「
あ、2人とも茉奈ちゃんに“いかれちゃった”んだな」と直感。
「もうすっかり力関係が入れ替わっていて、マスターもヒロくんもすっかり茉奈ちゃんに骨抜きにされていたのでビックリしましたね。内心、もしかすると性的関係をもって手懐けられてしまったのかな……とまで勘ぐってしまいました」
そしてマスターとヒロくんが開店準備で席を外し、女2人きりになった瞬間……。
「茉奈ちゃんが私を睨みつけて『おいババァ、今までお前が偉そうに押し付けてきたメイクやファッション、
全部時代遅れでダセェから二度と私に余計な口出すんじゃねーよ!」と凄んできました。それがめちゃくちゃ怖かったんですよね」
ですが怖がりながらも「なんだか自信満々に私を下に見てくる茉奈ちゃんは、
前よりずっと綺麗に見えるし小悪魔的な魅力があるな。これならお客さんいっぱいつくかもしれない」と思ってしまいました。
「ですがこんな妙な雰囲気になってしまったお店は居心地悪いし、茉奈ちゃんが威嚇(いかく)してくるのでビビッてしまい、私はすぐに辞めてしまいました」