「フェードアウトするなら筋通しましょうや」が示す現代の“恋愛作法”と女性たちの見えない“恐怖”のワケ
フェードアウトは現代の優しさ?
近年ではストーカー事件が頻発し、交際相手だけでなく元恋人から女性が刺される事件も後を絶ちません。場合によっては、女性側がそもそも交際していると認識していなかったり、店員と客という職務上の関係で愛想よく振る舞っていただけにもかかわらず、男性側が「この子は俺のことが好き」と勘違いしてつきまとい被害が起きることもあります。
こうした現状を踏まえると、はっきり断ることで男性を傷つけないよう配慮しつつ、脈がないことを行動で示す『無言のフェードアウト』は、むしろ現代における優しさであり、強いメッセージであると男性側も心得ておくべきでしょう。
一方で男性側からは「無言のフェードアウトは『この男は断ったらストーカーしてくるタイプだと思われているのでは』と思うと腹立たしい」「こんな不誠実で無礼な女性を好きになりかけていた自分にイライラし、自己嫌悪を相手にぶつける男性がいるのでは」といった意見も寄せられました。
今回の議論は、デート相手を断った際に女性が直面する攻撃性に関する男性の心理について再考する契機にもなりました。
ネットミーム化と大学生の「功績」
さらに、今回の投稿が炎上したことで「筋通しましょうや」がネットミームにまで発展しました。
友人や恋人とのLINEで「おやすみ!」と挨拶を送った後、返事がなくてもいいシチュエーションで、あえて「フェードアウトするなら筋通しましょうや」と追いLINEを送る遊びや、「〇〇するなら筋を通しましょうや」としてさまざまな投稿が行われ、大喜利大会状態になっています。さらには「嫌いな先輩から誘われて返事に悩んでいたけど、筋通しニキのおかげで無言のフェードアウトができて罪悪感が軽減された」といった投稿まで。
今回デート相手の女の子との交際には発展がありませんでしたが、この投稿が炎上したことで気になる異性とのデート後のベストな幕引きについて議論が深まり、さらに意外な形でネットミームまで誕生したのは、この男子大学生の功績かもしれません。
<文/エタノール純子>エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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