ここ最近、声を上げる人に冷ややかな視線を向ける人が増えた。景気悪化のために給与が上がらず、景気回復に努めない政府を批判しようとすると、
「自己責任」「能力が低いだけ」と反応が返ってくることはSNSあるあるだ。このように政府や社会、企業を批判する人は「勇敢」「カッコ良い」とはならず、むしろ馬鹿にされる傾向が強い。
こうした冷笑主義が広まっている背景には、テレビが声を上げる人を馬鹿にする見せ方をしていることが少なからず影響しているのではないか。声を上げる人はヤバい人、ひいては馬鹿にしていい人という免罪符を与えている可能性は低くない。
声を上げている人を見かけた際、嘲笑(あざわら)いたくなるのは本当に自分の意志なのか。テレビに踊らされているだけではないだろうか。一度立ち止まって考える必要がある。テレビがオールドメディアと馬鹿にされるようになってきたが、そのテレビに染まって冷笑的になっていないか、改めて考えたい。
<文/浅村サルディ>