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――小学校でプログラミング教育が必修化されたこともあり、プログラミング教室に通う子どもが増えましたが、家庭で生成AIと対話することから始めてもいいのでしょうか。
まり:最近そう思うようになりました。今までの時代は、ある程度プログラミングの文法を理解していなければコードは書けませんでした。しかし文法が分かっていても、ゼロから何かを生み出すのはものすごく難易度が高いのです。
そのため、子どもがプログラミング教室に通って、教えられた通りのものを作ることはできるようになっても、自分の頭の中にあるアイディアを形にするのは非常に難しいと感じます。それよりも、家庭で生成AIを使っていろいろと試してみるほうが、「できた! 楽しい!」と感じてアプリの開発に興味が湧くかもしれません。
――子どもたちの将来の働き方など、AIが大きく関わってくるといわれますが、まりさんはどう考えていますか?
まり:確実に、AIを仕事で使うようになるでしょう。それなら挑戦するのは早いほうがいいと思います。私の目の届く年齢のうちに、息子たちにはいろいろと自分の好きなことにAIを使ってみてほしいです。
長男は、走るのが好きなので、自分が走っているフォームの動画をAIに読み込ませてアドバイスを求めたり、自分に合うトレーニング方法やランニングシューズを聞いています。勉強だけではなく、趣味にも使うと楽しいのではないでしょうか。
ただ、AIとばかり対話しているのも親としては心配になるので、普段から子どもの気持ちをよく聞くようにしています。「AIの提案のうちどれがいいか、決めるのは自分なんだよ」と教えていますが、「もし迷ったらママに相談してもいいんだよ」と、親とも話してほしい気持ちは伝えるようにしています。
――家庭でAIを使う上で、どんなことを大切にしていきたいですか?
まり:「子どもにAIを使わせるなんて」と言われることもあるのですが、子どもたちは、将来必ずAIと共に生きていくことになります。私たちの世代が想像もつかないような新しい技術に出会ったとしても、子どもたちには「わからないからやめておこう」ではなく、失敗してもいいからやってみようとしてほしい。そのためにも一番近くにいる大人である私が、臆せず新しいテクノロジーをどんどん使ってみる姿勢を見せたいと思っています。
【まり】
国立大学の理系の大学院を卒業後、メーカーで技術・開発職を経験。妊娠、出産を機に退職し、現在は男子3兄弟(小6、小4、3歳)の母。家事子育てにAIを導入したことで、NHK「チルシル」、日テレ「DayDay.」他、複数メディアに出演。著書に『
おうち遊びアイデア帳』。note:
めんどくさいことをテクノロジーで解決したい主婦、X:
@m316jp2
<取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。