まず本作を制作した経緯として、「SNSで漫画を投稿していたのですが、そこでKADOKAWAの編集さんから『
若さと市場価値というテーマで一緒に描きませんか』と声をかけてもらったことがきっかけです」と話す。
「もともと『シリーズ立ち行かないわたしたち』が好きで、また私自身も港区女子ではないのですが、夜職として働いていた経験もあり、『この経験を活かしたリアルな作品を描けないか』と考えていたので快諾しました。なにより、本を出すことが夢だったので、声をかけてもらえて嬉しかったです」
「まず読者さんに共感してもらえるように、主人公の美春を“どこにでもいる田舎から上京した女の子”という設定にしています。また、本作を制作するにあたって、実際に港区女子の方々に取材させていただいたのですが、その際に聞いたエピソードはそのまま取り入れたりしています。
とはいえ、リアルなエピソードをリアル寄りの作画で描くと、読みづらさが生まれると考えました。そこで
絵柄は可愛くしてエピソードの生々しさを緩和し、読みやすくなるように工夫しています。他にも、後半で闇落ちした時の作画は線を多く、リアル寄りに描いています。そのほうがギャップにつながるので、通常パートは線を少なく、シンプルな絵柄を意識しました」
続けて、「担当編集さんから『
汚い言葉を使いすぎると読む側のエネルギーが吸われるから、あまり使わないで』と指摘され、セリフ選びには注意しました」と作画以外での注意点も語った。