かき氷を食べるのは子どもの頃以来だという大樹さんに、
美緒さんはお気に入りのかき氷を味わってもらえるのが楽しみでした。
「そして私がいちばん好きな“鳥居醤油&クリームチーズのかき氷”が届き、大樹さんが食べる姿をワクワクしながら観察していたんですよね」

すると「
え、これが1500円近くするの? 信じられない。こんなの溶けたら醤油の混じった水だよ? 100歩譲ってフルーツがたくさん乗っているとかならまだわかるけど、これはありえないわ」と鼻で笑われてしまい……。
「すごくビックリしました。どうやら大樹さんは自分が子どもの頃にお祭りで食べた、紙コップに入った数百円で買えるかき氷からアップデートされていないらしくて。
ありえないのはお前の方だろと思いましたね」
大樹さんの態度から、高級なお肉やお魚にお金を出すのは惜しくないけど、氷にそんな大金を払うのは馬鹿らしいと思っているのが伝わってきました。
「その瞬間に『あ、この人ただの頭の固いクソジジイなんだな』と恋心がサーッと冷めていくのが分かりました。私はただ一緒にかき氷を楽しんで『こんな美味しいかき氷があるなんて知らなかったよ。教えてくれてありがとう』と、
グルメな大樹さんにちょっと褒めてもらいたかっただけなのに」
好みに合わなかったのなら仕方がないけれど、相手の大好きなものを全否定するのは人としてどうなの? と感じた美緒さん。そしてつい、元彼の雅彦さんのことを思い出してしまったそう。