「実は雅彦ともそのお店で同じかき氷を食べたことがあるんですが、彼は甘めの醤油とクリームチーズとふわふわ氷のハーモニーに感動して大喜びで食べてくれたんですよね」
さらに「
かき氷って、溶けてしまう前に存分に美味しく楽しまなくちゃと思えるところが儚(はかな)くて、贅沢な食べものだよね」と美味しそうに氷を頬張る雅彦さんの笑顔が脳裏によみがえりました。
「確かに収入面では大樹さんの方が豊かでしたが、雅彦の方がよっぽど豊かな気持ちを持っていたなと恋しくなってしまい、ついまた連絡をとってしまったんですよ」
雅彦さんは美緒さんの連絡を喜んでくれたうえに「自分に覚悟が足りなかったせいで不安な気持ちにさせて申し訳なかった。
もしまだ間に合うのなら僕と結婚してくれませんか?」といきなりプロポーズしてきたんだそう。
「えー! 久しぶりに会ったのに、今? って感じでかなりビックリしましたが、すごく嬉しかったんですよ。まだその時は大樹さんとお付き合い中だったので、きちんとお別れしてから改めて雅彦にプロポーズしてもらったんですよね」
そして2人はめでたく結婚しました。
「あれからまた雅彦と例のかき氷屋さんのかき氷を一緒に食べたのですが、私は今までの出来事が頭の中を巡ってついニヤニヤしてしまって。雅彦は不思議そうな顔をしていましたが、このかき氷がきっかけで雅彦を思い出した話は内緒にしておこうと思います」と微笑む美緒さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop