そうして、大輝さんとのお付き合いがスタートしました。当時は真夏だったこともあり、
デートの時は汗でメイクが崩れそうになる度にトイレに駆け込みお直しをしました。お泊りの時にお風呂に入っても、決してメイクは落とさなかったそう。
「もちろん大輝さんが寝るまでメイクは落としませんし、大輝さんより早く起きてメイクをほどこし、
絶対にすっぴんは見せないように神経を尖らせまくって生活していましたね」

ですがそんなある日、仕事がとても忙しく疲れていた千奈美さんは……。
「その日は大輝さんが起きる時間になっても爆睡したまま起きられきなくて。あんなに死守してきたのに、ついにすっぴんを見られてしまったんですよ」
千奈美さんが意識を取り戻し、ビックリ顔で覗き込んでいる大輝さんと目が合った瞬間「
あ、終わった。この糸みたいに目の細い女、誰? 騙されたって絶対ドン引きしているに違いない……」と血の気が引き、とっさに正座をして罵倒される覚悟をしたそう。
「そしたら大輝さんが『
可愛い~! 絶対にすっぴん可愛いだろうなって最初から思っていたけどやっぱりそうだった。ごめん、見られるの嫌かな? もちろん化粧した顔も綺麗で好きだよ。でも同じぐらいすっぴんも好き』と見たことのない弾ける笑顔で言ってくれて、肩の力が抜けてその場に崩れ落ちてしまいましたね」