「俺、限界かも」家族5人で世界一周中に夫婦仲がピンチ…!妻が“子どもより夫がしんどい”と思ったワケ
こんにちは。コラムニストのおおしまりえです。
「夫婦で世界一周旅行をする」と聞くと、どこかロマンティックな響きがあります。しかし実際は、慣れない場所や選択を24時間ずっと他人である夫や妻とするわけで、大変さもつきまといます。
今回ご紹介するおかんトラベラーさん(37歳・@okan.momtraveller・以下おかんさん)は、2023年7月から約200日間、当時5歳、3歳、1歳の子を連れて、家族5人で14か国を旅しました。
おかんさんはもともと、バックパッカーの経験はなく英語もほとんど話せなかったそう。また、初めての子連れ海外旅がこの世界一周でした。
実際の世界一周ルートは、1か国目のタイをスタートに、そこからヨーロッパの国々を満喫。北アメリカ大陸へ移動し、キャンピングカー移動もしながら南アメリカ大陸へと突入。エクアドル・ペルー・ボリビアと大自然を満喫し、合計14か国の旅を終えました。
前回記事では、道中の子どもの変化について聞きましたが、今回は「特に大変だった」という夫婦のやり取りや、乗り越え方について聞きました。
夫婦といえども元は他人です。慣れない場所で24時間ずっといっしょに過ごせば、なにかしらひずみは生じるでしょう。おかん家では、どういったトラブルがあり、どう向き合っていたのでしょう。
世界一周と聞くと、「子どもがいるのに大変じゃないの?」と思いがちですが、おかんさんいわく「子どもと一緒なのはもちろん大変。でも正直、夫と一緒のほうがもっと大変でした」と笑います。
おかんさんは“ダメ”を極力言わず、自由にのびのび育てたい派。一方、夫はマナーやルールをしっかり教えるタイプ。こうした性格や方針の違いが、旅のストレスも相まって、それが子どもに見せる態度にも表れていたといいます。
「普段は私のほうが大ざっぱで、夫がきっちり線を引く、そんなバランスがうまく取れていました。でも旅先では、夫のその厳しさばかりが気になってしまい、『なんでそんなにダメって言うの?』と思うことが増えていったんです。
例えば夫は食事中、逐一子どもに食事マナーを注意します。日本では朝晩しか目にしない厳しい指摘が、旅の間で、気づけば毎食口うるさいものになっていました。それを私が嫌になってしまい……他人同士が同じ子を育てることの難しさを痛感しましたね」
こうしたすれ違いが不満としてたまり、おかんさんの中では当時、子どもと自分だけの時間が息抜きになっていたと言います。一般的にワンオペ育児は大きな負担を感じるものですが、それ以上に旦那さんとの時間がしんどかったとなると、相当追い詰められていたのでしょう。
「24時間母子だけだと、それはそれでしんどいんですが、グアテマラでは、夫と離れて“ワンオペ”状態になったほうが気がラクだって感じてました。旅って“人との距離感”がすごく試される時間だったんだなと思います」
旅の最中でのケンカは度々あったそうですが、なかでも一番大きな衝突はどんなものだったのでしょうか。聞くと、それはアメリカで起こったそうです。
「アメリカから南米のグアテマラにかけての期間で、大きく衝突しましたね。原因は、夫婦の時間の優先順位の違いでした。夫は“夫婦の時間”が一番大事で、私は正直に言うと、“子ども→仕事(SNS発信)→夫という順番でした。我が家は子どもが寝た後は夫婦の会話の時間と決めていましたが、私がその時間の多くをSNSの作業を使うようになっていたことで、夫の不満が募り、衝突につながっていきました」
夫婦の時間の考え方について、旦那さんはおかんさんに「この時間の使い方が本当に良いと思ってるの?」との問いを投げかけました。それに対しておかんさんは「うん、ほんまに良いと思ってる」と即答。
旦那さんの要求を一旦受け入れ夫婦の時間を作っても、どうしても「はい作りました」といった姿勢になる点が、また旦那さんの不満を誘発してしまったといいます。
そんなすれ違いが積み重なり、夫は次第に「もう帰ろうモード」になり、それがグアテマラで爆発したと言います。
「夫は車が大好きで、アメリカではキャンピングカーを運転して移動していました。それは良かったのですが、終わって南米に移動したら、夫の中ではもう旅は消化試合モードになってしまったんです。その頃から夫は毎日のように『もう帰ろう』と言うようになり、ちょっとイラっとしただけで『帰ろう』と、その繰り返しでした。それを私も真に受けずに流していたら、グアテマラで爆発したんです」
「子どもより夫がしんどい」世界一周で気づいた夫婦の壁
夫婦の優先順位のズレは、アメリカで衝突へ
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