
しかし数ヶ月経った今なら、高齢女性の言った意味も分かると神田さんは続けます。神田さんは役所に問い合わせ、バスに乗っている人の年齢層を聞いたそう。
「役所に問い合わせてみたら、バス利用者の半分以上は60歳以上の方だったんです。自治体が『70歳以上運賃無料』や『障がい者運賃半額』などのパスポートを発行していて、お年寄りや障がいを持った方が利用しやすいようでした。バスのお客さんの半分は高齢者で、障がいのある人も利用しているのなら、大きな音に敏感な方も一定数いるのだと思います。あの時、つい、ふてくされた態度を取ってしまったことを今は反省しています」
他人からのきつい一言に凹むだけでなく、事実を調べて反省もしていると話す神田さん。
「誰しもが必死に目の前の現状とたたかっているんだと思います。私も、子育て中のホルモンバランスの乱れとはじめての育児に必死で、周りがみえない事も多いから。ひとまず次回の息子とのバス乗車は、息子がもう少しお話しを聞けるようになってからかな」
様々な状況の人が共に生きていくには、互いに寄り添う姿勢が大切なのかもしれませんね。
<取材・文/maki イラスト/zzz(ズズズ)
@zzz_illust>