コメディもシリアスも自在に──“チョゼリグ”で開花した演技力
『ゼイチョー』は市役所の徴税吏員(ちょうぜいりいん)にスポットを当てたお仕事ドラマで、税金滞納者のもとに訪問し、時に財産を差し押さえるなどして、滞納されている税金を納めてもらうという仕事に焦点を当てています。
菊池さん演じる主人公は、元エリート官僚ながら現在はワケありで市役所納税課の徴税吏員となっており、いつも軽いノリでニコニコとしている脱力系。「チョゼってる」という口癖と「公務員、舐めんなよ」という決めゼリフがあり、「チョゼリグ!」という発言からもわかるようにギャルマインドを持つキャラで、菊池さんの“仁(にん)”にハマっている役どころでした。

画像:映画「#真相をお話しします」HPより
『大病院占拠』以降は『ゼイチョー』以外にも23時台のドラマで何度も主演し、2025年4月公開の映画『#真相をお話しします』ではMrs.GREEN APPLEの大森元貴さんとのダブル主演で映画初主演も飾っています。
前作のときはまだ「Sexy Zoneの菊池風磨」だった
改めて説明すると、菊池さんは2011年に5人組のSexy Zoneとしてデビューし、2024年3月までSexy Zone名義で活動していました。
ですから第2作『新空港占拠』のときには、timeleszへの改名が発表されていたものの、依然としてこの時点では「Sexy Zoneの菊池風磨」だったのです。2024年4月からスタートしたtimeleszは、2025年2月に5人が新規加入して8人体制となり、大ブレイク中なのはご存じのとおり。
第2作『新空港占拠』のときはtimeleszとしてリブートすることは決定していたものの、菊池さん自身もまさかここまでグループが跳ねるとは想像していなかったかもしれません。

画像:株式会社エフエム東京 プレスリリースより(PRTIMES)
2023年1月期の第1作『大病院占拠』の頃には、シリーズ化して3作品も作られる未来も、自身が連ドラや映画にどんどん主演するようになる未来も、timeleszに改名してグループが超絶人気になる未来もまだまだ予見できていなかったことでしょう。
『占拠』シリーズの激動の歴史と同じく、このシリーズが始まってからの菊池さんの芸能人生も激動だったのです。
<文/堺屋大地>
堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は
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