「呼び寄せたいのは男性客?」女医の“アイドル投稿”に批判殺到…医師のインフルエンサー化の裏側には“シビアな現実”も
「会いたいだけ」の予約問題と若年層への影響
これから美容施術を受けたいと考える初心者であれば、「先生が可愛いから」という理由だけでクリニックや美容外科医を選ぶことは少なくないでしょう。とりわけ、中高生など若年層においてこの傾向は顕著になる可能性があります。
そのため今回の件で、この“美人美容外科医”の発信の仕方が炎上したことは、昨今の美容医療大流行時代において、ある意味良い傾向とも言えます。
美容施術を何度も受けているような上級者からは「SNSやYouTubeで医療の問題を説いたり施術の説明をしたりするのではなく、やたらと自分のビジュアルを押し出す自己顕示欲の強い先生は選ばないようにしている」という意見も多かったからです。
美容医療においては初回カウンセリングが無料になるケースが多いです。そのため先生がアイドル化することで「施術をしたいわけではないけれども先生に会ってみたい」という理由でカウンセリングを予約する人が増えれば、本当に悩みを抱えていて施術を受けたい人が予約できないという事態にも。「無料で会いに行ける美容外科医」という現象に警鐘を鳴らしている人も少なくありませんでした。
「技術こそが信頼」の声も、医師の本質を問う投稿
また“今回の問題”が話題になると、YouTuberでもあり心臓外科医の「本物の外科医(北原 大翔)」さんが“美人美容外科医”と同じハートのポージングで撮影した自身の写真を「私の中顔面、どうですか?」という言葉とともに投稿。
“今回の問題”を揶揄するように見えつつ、医師として重要なのは外見ではなく、確かな技術や豊富な知識、患者との信頼関係、実績であるという強いメッセージにも感じられました。
美容医療が流行しすぎていること、SNSでの集客が当たり前になっていること、さらには自由診療のため利益追求型の発信が主流となっていること――美容外科医がアイドル化している背景には、昨今の美容医療のさまざまな問題点が含まれていることを明らかにした今回の炎上でした。
<文/エタノール純子>エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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