
画像:日本コロムビア株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)
『国宝』コンビの吉沢亮さんは2021年の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)、横浜流星さんは今年の大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)に主演しており、国民的俳優に駆け上がっているのはご存知のとおり。
また、磯村勇斗さんは今年7月期のGP帯ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(フジテレビ系)に主演し、山田裕貴さんは9月12日に公開スタートしたバカリズムさん脚本の映画『ベートーヴェン捏造』に主演しています。
特撮作品で主役の座を掴めなかった彼らが、どうしてその後、主演作品を次々とこなす超売れっ子になったのでしょうか。
もちろんさまざまな理由があるのでしょうが、“特撮作品の性質上、主役には選ばれなかった”という可能性があるのです。
吉沢亮さんを例に挙げて説明します。
吉沢さんが『仮面ライダーフォーゼ』で演じたのは、通称“2号ライダー”と呼ばれる仲間の仮面ライダーメテオでした。
ただ、物語途中から登場した仮面ライダーメテオは、当初は仮面ライダーフォーゼと対立するポジションで、中盤回では主人公を殺してしまう壮絶な展開もありました(後にすぐ復活)。要するに敵か味方かわからない、妖しげなオーラをまとったミステリアスなキャラクターだったのです。

画像:『仮面ライダーフォーゼ クライマックスエピソード 31話32話ディレクターズ [Blu-ray]』(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))
筆者は以前、仮面ライダーシリーズのプロデューサーを務める方々にお話を聞く機会があったのですが、子ども向け特撮番組という特性上、やはり主人公は爽やかで安心感のある笑顔の俳優が、選ばれることが多いといった趣旨の話を伺いました。
対して、2号ライダーや3号ライダーは、後々仲間になるとしても、なんらかの重大な秘密を抱えていたり、主役ライダーと敵対して戦う展開もあったりするため、登場初期は謎めいたキャラのことが多いそう。
そういった背景から、仲間ヒーローは笑顔にどこか“含み”があるような、クールでミステリアスな俳優が選ばれることが多いとのことでした。
主人公が明るく爽やかなヒーローの場合は、仲間となるキャラは対をなす存在として、差別化を図る必要があるということでしょう。