年齢的にも職業的にも、しっかりとした大人でいてほしいが、このように索はかなり抜けている。「こんなんで教員採用試験に受かるのか?」とリアリティのなさすら感じるが、どうしてか索に厳しい視線を向ける気は起きない。
それは、手越が放つ独自の可愛さとポップさが影響しており、玄一とほたるの“ニセ家族”を見抜けなくても「も~仕方ないな~」と許せてしまうからだ。
やはり手越と言えばバラエティ番組の印象が強い。これまで数々の“手越語録”を残し、中にはナルシシズムに満ちたものも少なくない。ただ、それらに目くじらを立て批判する人はいない。それは、手越祐也という人間性が周囲を受け入れらさせる力を持っているからだ。本作にもおいてもそのカリスマ性により、索の天然さを受容させられているのだろう。
また、“役者・手越”として強く記憶に残っているキャラとして、2006年放送のドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(日本テレビ系)で演じた桜小路順が挙げられる。順は初々しさ全開の高校生役だったが、索にも順のような可愛さが重なる。ただ、決して“ぶりっ子をしている痛いアラフォー”という雰囲気ではない。
本作のストーリー上、ほたるの担任教師はある程度天然でなければいけない。しかし、天然すぎると作品のノイズになる。視聴者に違和感を覚えさせず、高校生のようなピュアさを持った大人、つまり“あどけないアラフォー”を演じきっているところは驚きだ。バラエティタレントとしてだけではなく、役者としてのポテンシャルをここに来て見せつけている。