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「何されても許せちゃう…」37歳なのにあどけなさ爆発!バラエティでも活躍する“彼”の演技に釘づけになるワケ

ストーリーで“モヤっとする点”がありつつも

 本作のストーリーについても触れておきたい。第1話序盤、公園のベンチのぐらつきに困る玄一に、索は元恋人と記した婚姻届を渡して、ベンチの隙間にかませるように提案するシーンがある。  索がゲイであることを玄一に知らせるための展開のように思う。ただ、索にとっては無価値な紙切れなのかもしれないが、婚姻届を見ず知らずの人間に気軽に渡すものなのか。  また、同じく第1話序盤で、玄一はパートナー相談所に足を運び、カウンセラーの百瀬まどか(渋谷凪咲)から説明を受ける。その際、登録者のプロフィール写真を見せられるが、顔にモザイクがかかっていることに違和感を示す。その後、索と2人で話しているとき、「(モザイクは)すごくありがたいんですけどね、何ていうか、結局俺たちっていない者にされて、隠されて、そういうふうに生きていくしかないのかなって」と語る。  セクシュアルマイノリティが“いない者”にされていることへの切なさを吐露する胸に刺さるシーンではあるが、まどかは「詳細情報は基本的に入会後にお見せすることになっているので」と説明している。決してセクシュアルマイノリティを“いない者”にしているわけではなく、ただの配慮ではないか。  もちろん、そういった細かいことにも迫害を受けたように感じるほど、世間との隔たりを覚えている部分を描きたかったのかもしれない。ただ、「すごくありがたいんですけどね」というセリフを言わせたいがため、の展開にも感じた。

及川光博のフィット感、白鳥玉季の光る演技

 現時点では正直、モヤっとする部分も少なくない。ただ、手越の可愛らしさに加え、不器用ではあるが根っからの善人である玄一の姿は不快感がなく、及川のフィット感が心地良い。  小生意気でありながらどこか放っておけない少女を演じる白鳥の演技力もドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)や『水平線のうた』(NHK総合)などと同様に相変わらず光っており、メインキャストの演技には安定感がある。  今後、どのようにストーリーが展開していくのか期待したい。 <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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